研究分担者 |
岡本 繁久 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (30211808)
今井 俊夫 国立がん研究センター, 動物実験支援施設, 支援施設長 (20342884)
青井 渉 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (60405272)
徳田 春邦 金沢大学, 医学研究科, 特任准教授 (60111960)
久保 康之 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (80183797)
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研究概要 |
1.MTAをin vitroでcytidine(C)と混合(溶液・温度・時間を可変)したときには,^mcytidine(^mC)の生成がないことを確認した.MTAをF344ラットに生理的上限濃度を経口投与したときは,血中^mC濃度は2.6倍に上昇していたことから,MTAはin vitroではCと反応しないが,生体内では反応する可能性が示唆された点で意義があると考えられる. 2.ICRマウスを用いたDMBA-TPA誘発の皮膚二段階発がんの抑制効果を検討し,MTAの皮膚塗布投与で抑制効果が認められたため,MTAの経口投与によっても1,000ppmのMTA水溶液の自由飲水によっても抑制効果が認められた.これは,桂ウリの摂取によって発がん抑制効果が得られる可能性が示唆された点で意義があると考えられる. 3.ICRマウスにMTAを経口摂取させ,トレッドミル装置を用いた走運動後の血液・筋肉分析(血糖・乳酸・脂質量)をおこない,運動30分前にMTAを経口投与することで運動後の筋肉中のpHの低下が抑制された.これはMTAの経口摂取によって疲労軽減効果が得られる可能性が示唆された点で意義があると考えられる. 4.マスクメロンとゼロカロリー甘味料で甘味を付加した完熟桂ウリのジュースを摂取後の血糖値を健常者10名で経時的に測定し,桂ウリジュースの摂取は血糖値の上昇がマスクメロンジュースと比較して有意に低いことが認められた.これは桂ウリジュースの糖尿病患者への試験を可能とした点で意義があると考えられる. 5.桂ウリの黒色斑点の病理培養をおこなった結果,斑点の本体はウリ類炭疽病菌であることが明らかとなった.これは斑点の原因が生理障害ではなく病原菌であることが明らかにできたことで,防除方法の確立に向けての足掛かりをつかんだ点で意義があると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
24年度は研究がおおむね順調に進展したと考えられたため,当初の予定どおり5つの研究主項目において研究の前進をはかる,桂ウリ摂取によるヒトへの機能性面での有用性を明らかにするために,2つの主項目で研究対象を動物実験からヒトへ,また健常者から糖尿病患者へのシフトをおこなう.
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