研究課題/領域番号 |
24300255
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
井上 裕康 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (40183743)
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研究分担者 |
中田 理恵子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 講師 (90198119)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | PPAR / レスベラトロール / シクロオキシゲナーゼ / 食品機能成分 / 生活習慣病予防 |
研究概要 |
我々はこれまでの研究から、レスベラトロールをはじめとした食品機能成分によるPPAR活性化を介する作用が、生活習慣病予防の新しい分子作用機構であると考えて、研究を進めている。本研究では、PPAR活性化を指標にしたオリジナルな評価系を用い、食品機能成分がPPAR活性化を介して、どのような機構で、どのような分子が制御を受けて、生活習慣病発症に関与する脂質代謝等を改善するのかを明らかにすることを目的としている。本年度はまず、レスベラトロールの短期および長期摂取による脂質代謝改善効果について検討した。マウスにレスベラトロールを4週間摂取させると、野生型マウスにおいて、血漿トリグリセリドが減少し、肝臓で脂肪酸の燃焼や輸送に関わるPPAR応答遺伝子の発現が上昇した。一方、PPARα欠損型マウスではこのような変化は認められなかった。さらに高脂肪食とともにレスベラトロールを約100週間摂取させると、50週目付近で一過性に体重が減少し、最終的に寿命延長効果が認められた。 約40週目では白色脂肪重量が減少し、肝臓中の脂肪量も減少していた。これらの効果はPPARα欠損型マウスでは認められなかった。以上のように、レスベラトロールの短期および長期摂取によるPPARα依存的な脂質代謝改善効果を見出した。 さらに、レスベラトロールと同様に、PPARを活性化するとともに、プロスタグランジン産生の律速酵素である誘導型シクロオキシゲナーゼ(COX-2)発現を抑制する成分を日常的に摂取できる食物から検索した。培養細胞を用いたアッセイ系で、シナモンバーグ油主成分がPPARα,β/δ,γを活性化しCOX-2発現を抑制すること、辛味成分がPPARαを活性化しCOX-2発現を抑制することを新たに見出した。これらの成分が、PPARとCOX-2を介して生活習慣病予防に作用する可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画1年目の今年度は、レスベラトロールの短期および長期摂取によるPPAR活性化を介した脂質代謝改善効果について明らかにすることができた(論文投稿中)。さらに、培養細胞を用いたアッセイ系でPPARを活性化しCOX-2発現を抑制する成分の検索を行い、香辛料精油成分と辛味成分が両効果をもつことを見出した。以上より、研究計画はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
計画2年目では計画どおり、レスベラトロールによる筋肉でのPPAR活性化と肝臓と筋肉の相互作用を明らかにする予定である。さらに、培養細胞系でPPARを活性化することを見出した香辛料精油成分と辛味成分について、マウスを用いた生体レベルでの活性化を検討する予定である。
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