研究課題/領域番号 |
24300256
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
武田 英二 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00144973)
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研究分担者 |
竹谷 豊 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (30263825)
山本 浩範 仁愛大学, 人間生活学部, 准教授 (60314861)
奥村 仙示 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (30322259)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | メタボローム解析 / インスリン抵抗性 / 満腹度 / 満足度 |
研究概要 |
1、満腹度や満足度が高い食事の探索と年齢の影響 健常者276名を対象とし、組成やエネルギー密度の異なる同一食材を使用した6種類の(1)Control (2)Hmeat (3)MfatLveg (4)Lveg (5)Hfat (6)HfatLvegの各試験食を用いて試験を行った。すべての年代において、野菜の多い試験食で満腹度・満足度が高かった。Hmeat摂食後、0.5時間において、20代の満腹度・満足度は40代以上より有意に高値を示し、40代では、ControlがHmeatより、有意に高値を示した。30代の満腹度・満足度は、HmeatがMfatLvegより有意に高値を示し、50代において、食後0.5時間の満腹度は、ControlがMfatLvegより有意に高値を示した。以上、40代は米飯が多い献立を好むことが示された。全ての年代において、エネルギー密度(ED)、エネルギーや脂肪の摂取より、野菜の摂取が満腹感・満足度に有効であった。 2、経口糖負荷試験による肥満者血清のメタボローム解析 肥満者において、インスリン抵抗性の有無によるOGTT後の代謝物をメタボローム解析技術により評価した。正常群のバリン濃度は、OGTT後240分まで徐々に低下したが、ロイシンとイソロイシン濃度はOGTT後120分で最低値を示し、その後上昇した。インスリン抵抗性群のバリンとロイシン濃度は、正常群と同様の変化がみられたが、イソロイシン濃度はOGTT後240分まで徐々に低下した。正常群とインスリン抵抗性群のOGTT後240分の血清インスリン濃度とOGTT後120分から240分へのBCAA濃度の増加量の間に有意な負の相関がみられた。また、空腹時のオルニチン濃度とHOMA-Rの間には、正の相関がみられた。以上、OGTT後のBCAA濃度と尿素回路の代謝物の変動は、インスリン濃度とインスリン抵抗性の程度による影響を受けることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
食事摂取後の主観的指標である満腹度・満足度を評価したところ、食材および組み合わせ、年齢によって異なることが明らかになった。さらに、経口糖負荷試験後の生体内代謝変動として、従来の糖代謝および脂質代謝の変動に加えて、アミノ酸代謝も著明に変動することが明らかになった。これらのことは、疾患発症の予防策として年齢に応じた食品の組み合わせ、およびアミノ酸代謝を指標とした予防策が提唱できることが明らかになった。
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今後の研究の推進方策 |
1)満腹度や満足度におよぼす性および食習慣の影響 健常者276名を対象とし、組成やエネルギー密度の異なる同一食材を使用した6種類の①Control ②Hmeat ③MfatLveg ④Lveg ⑤Hfat ⑥HfatLvegの各試験食を用いて試験を行い、これらの結果をデータベース化している。そこで、平成26年度は満腹度・満足度におよぼす性別の違い、および満腹度・満足度におよぼす食生活を含めた生活習慣の影響について検討する。 2)異なるグリセミックインデックス(GI)食のメタボローム解析 高GI食は肥満、メタボリックシンドローム、糖尿病の危険因子である。高GI食および低GI食とインスリン分泌との関係は食事により多様である。糖質中心の食事ではGI値とインスリン分泌濃度は相関するが、蛋白質や脂質中心の食事ではGI値とインスリン分泌濃度は必ずしも相関がみられない。これらの異なった生体反応を示す異なった食事を摂取した時の代謝物をメタボローム解析技術により評価する。 以上の平成26年度の研究により、健康から発病に至る心理的・生理的変化および栄養代謝変化のパターンを解明する。
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次年度の研究費の使用計画 |
Mouse PTH 1-84 ELISA Kit 1個(113,400円)の購入を予定していたが、少し不足したため次年度に購入することにした。 次年度に、Mouse PTH 1-84 ELISA Kit 1個(113,400円)を購入し、研究を実施する予定である。
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