研究課題/領域番号 |
24300257
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
大島 寛史 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (80433209)
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研究分担者 |
三好 規之 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (70438191)
合田 敏尚 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (70195923)
伴野 勧 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 客員共同研究員 (60554011)
糠谷 東雄 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 客員教授 (00094342)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 健康と食生活 / オゾン酸化コレステロール / 生活習慣病 |
研究概要 |
コレステロール脂肪酸エステル(CE)のパルミチン酸コレステロール(C16:0-CE)などの飽和脂肪酸CEをオゾン酸化すると、ステロイド骨格の5,6位の2重結合が開裂したエステル型secosterol類が生成することを見出した。一方、リノール酸コレステロール(C18:2-CE)及びオレイン酸コレステロール(C18:1-CE)からは、既に報告されている9-oxononanoyl cholesterolに加えて、新規に9-oxononanoate secosterol-Aとそのアルドール化により生成する9-oxononanoate secosterol-Bの生成されることを見出した。次に、これらCE酸化物をLC-ESI-MS/MSを用いて分析する方法を確立し、健康なヒト血液(n=6)から調製したLDL分析に応用した。エステル型secosterol-A及びBは、全試料から、10~20pmol/DL mg protein(遊離型secosterol類の1/2~1/5の濃度)検出された。また、これらエステル型secosterol類は、エステル型でないsecosterol類と同様に、強い細胞毒性の活性を有することを見出した(Free Radic. Biol. Med. 60,73-79,2013)。一方、コレステロールのオゾン酸化で生成するsecosterol-Aを、子牛血清を含む細胞培養液に添加すると、速やかに、アルドール化されてsecosterol-Bに変化することを見出した。このアルドール化を促進させる血清成分について検討したところ、血清中に存在している遊離アミノ酸、特に、システインに強いアルドール化促進能を見出し、システインによるsecosterol-Aのsecosterol-Bへのアルドール化促進の分機構を新たに提唱した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コレステロールのオゾン酸化で生成するsecosterol-Aを、子牛血清を含む細胞培養液に添加すると、速やかに、アルドール化されてsecosterol-Bに変化することを見出した。このアルドール化を促進させる血清成分について検討したところ、血清中に存在している遊離アミノ酸、特に、システインに強いアルドール化促進能を見出し、システインによるアルドール化促進の分機構を新たに提唱した。現在投稿準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
遊離型及び脂肪酸エステル型のsecosterol-Aとそのアルドール化により生成するsecosterol-Bを認識する抗体の作成、それを用いる分析法の開発、生体試料における存在量と疾患との関連などについて検討していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度については、学会参加を限定したこと等により、全体として余剰が生じた。 次年度使用額は、上記研究のため、試薬等を購入する予定である。
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