研究概要 |
2013年度は, 他者からの学びを誘発するeポートフォリオ・システムの知的機能を設計・開発し,これまで申請者が開発・実践してきたeラーニングシステム"Samurai"に組み込んだ.具体的には,対象学習者の現在の学習履歴に最も類似の学習履歴を持つ最も優秀な成績の学習者のポートフォリオを推薦する推薦システムを開発した.具体的には、学習者の学習者履歴から将来を予測する木を学習させる.それを用いて、当該学習者の木をなるべく少ない変換で最も良い成績になる学習履歴を持つ学習者を抽出する.その学習者のポートフォリオを推薦するとともに学習履歴の差違を指摘するというシステムである.実践・評価は2013年度前期に行った. eポートフォリオのテキスト分析のためのLatent Dirichlet Allocationモデルを開発した.具体的には,テキスト情報だけでなく,ポートフォリオ著者の履歴データを補助情報として組み込め,より推論精度の高いLDAを開発・実装し,評価は2014年度から行う.また,適応的ピア・アセスメント機能のための項目反応理論を開発し,評価した.評価者パラメータを組み入れた項目反応理論で,評価者の信頼性も同時に評価させた.現在,このモデルが従来の項目反応理論をピア・アセスメントに適用した場合よりもより良い精度で評価できることを示している.今後は、eポートフォリオ・システムにおいて、情報量を最大にするように学習課題を評価者に自動的に振り分けるシステムを開発する.2013年度より開発を開始しており、実践評価は2014年度に行う.
|