研究課題/領域番号 |
24300290
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
溝口 博 東京理科大学, 理工学部, 教授 (00262113)
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研究分担者 |
稲垣 成哲 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70176387)
楠 房子 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (40192025)
福井 和広 筑波大学, システム情報工学研究科(系), 教授 (40375423)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 身体性 / 身体動作 / 位置・姿勢センシング / 注意・関心推定 / 視線・注視検出 |
研究概要 |
本研究の目的は、古生物環境の中に没入感をもって擬似的に「入り込める」システムを開発、実証実験を通じて学習者の身体行為を伴う効果的な古生物環境理解を図ることである。また、システムの人物計測機能を活用し、実験時の学習者の注意・関心の度合いを推定、従来は手動で行わざるを得なかった事後評価の半自動化、定量化を図るものである。この目的のため、平成24年度は以下を実施した。 ・研究打合せ会議研究代表者及び分担者は、従来までの科研費研究を遂行する上で十分な協議を行ってきたが、今年度に改めて対面の研究打合せ会議を開催し、役割分担と研究計画を確認した。 ・コンテンツ設計人物計測情報を用いて動的に変化させ、古生物環境の中に没入感をもって「入り込める」ための構成を検討した。 ・人物計測技術開発民生用ゲーム機向けの安価なKINECTセンサを複数用い、学習者の位置、動き、速さ等の情報を時々刻々得られるようにするための基礎技術開発を実施した。複数台のセンサを連携させ、一人の対象者を広い範囲にわたって追跡して計測し続けられるようにした。 ・事後評価定量化技術開発KINECTセンサ群により実験中の距離・映像データを全て記録する基礎技術開発を実施した。同時に実験中の音データも多数のマイクロフォンを用いて全て記録、事後、これら録音データ群に対しアレイ信号処理を施し、あたかも学習者の口元に指向性マイクをかざしたかのように選択的に音を拾って学習者の独り言や笑い声、呟き、舌打ち等の非言語音声を望遠採集するための基礎技術開発を行った。 ・予備実験上記の人物計測技術と事後評価定量化技術とが機能するよう、実証実験と同様の状況での学習者の動き計測技術と選択的音声望遠採集技術とについての予備実験を実施した。初年度ではあるが、途中成果について日本科学教育学会、日本機械学会、電子情報通信学会、IEEE、ACM等主催の国内外学会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究全体のうち、一部の項目については当初の計画以上に進展している。特に人物計測技術開発や事後評価定量化技術開発については、既に計画以上の途中成果が得られ、学会発表を行ったり、今後、予定していたりする。一方、コンテンツ開発や注視計測技術になど他の一部の項目については、計画見直しや順序変更により、当初計画よりもやや遅れている。ただ、回復可能であり、全体としては、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
計画以上に進展している項目は更に進展を図る一方、一部やや遅れがみられた項目については、メリハリをつけて注力し、回復を図る。特に調査および実験を充実させる。このために、次年度に繰り越した助成金と翌年度研究費とを合わせ、有効に活用する。
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次年度の研究費の使用計画 |
調査および実験の一部を翌年度実施することになり、その実験に必要な映像作成のための経費が、次年度使用額として発生することとなった。当該助成金と翌年度の研究費とを合わせ、実験に必要な映像作成に使用する。また、当初の予定では本年度に方式決定を完了し、距離センサおよびデータ処理計算機を購入する予定であったが、当初は予定していなかった別方式の距離センサおよびデータ処理計算機が年度途中に発売された。今後の研究をより円滑かつ効果的に進めるために、方式決定に更に時間を掛けることとした。これに伴い機材購入のための予算を繰越す必要が生じた。翌年度は、当該助成金と翌年度の研究費とを合わせ、方式決定後の距離センサとデータ処理計算機とを購入する予定である。
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