研究概要 |
本研究は,北条小学校で実践されてきたカリキュラム管理室を中心とする循環型教育システムをソーシャルメディア上に展開することで,これまで他校への展開が困難であった本校のシステムをさらに広いフィールドで活用することを通じ,その形成過程を分析し,教員養成の場をソーシャルメディア上に提供することを目的としている. 本年度は,以下の研究を実施した. (1)北条小学校の循環型教育システムについての分析を行うため,学年会,学年主任会議実行委員会,研究推進委員会,統合学習を含む授業研の収録を行った.特に学年会は全学年を複数回収録し,分析を行った.授業研に関しては,後述する動画アノテーションツールでの実証実験との比較のため,授業後に行われる協議会についても収録を行った, さらに,循環型教育システムに関して,これまでの分析をまとめ,教育工学会の研究会で発表した. (2)リアルタイムアノテーションツールであるCAVSceneに関し,学校現場での活用するための機能拡張を行った. (3)既存ビデオアノテーションツールの情報収集,比較検証した.その結果「YouTube」でのアノテーションは動画の所有者でないとできないこと,不特定多数が使える「ニコニコ動画」はコメントができるものの,特定のコメントに対する返信等ができないことなど,授業研究に使うには不足していることが判明した.また,専用のツールも存在するが,あくまでも一人で作業することを前提としており,本研究での実証実験に耐えるような,動画を使ってネット上でコラボレーションできるツールは存在しないことがわかった.そこで,ネット上で複数の教員によってアノテーションができるツール,edu-Cの初期バージョンを開発した. (4)カリキュラム管理室の代替としてソーシャルメディア上に展開する検索システムに関しては,NICERの後継
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の目標として,既存ビデオアノテーションビデオツールの評価,検証という項目があったが,実証実験に耐えるものがなかったこともあり,自作することで平成25年度の実証実験開始を可能としているため.また,それ以外の調査,分析に関してもほぼ順調に計画を実行しているため.
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次年度の研究費の使用計画 |
実証実験を通じて,ビデオアノテーションツールのカスタマイズが多く発生することを考え,その開発費用として計上することを予定している.また,学年会,実行委員会の有用性,ツールの使用感などの調査のため,研究補助者の人件費として計上する予定である.
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