研究課題
本事業は平成26年度で終了予定であったが、オープンダイアローグやリカバリーカレッジなどの精神科医療の新たなアプローチに関する追加調査の必要が生じたため、事業期間を1年間延長した。平成27年度の調査は特にオープンダイアローグの調査に焦点をあて、オープンダイアローグの発祥地であるフィンランド・ケロプダス病院の現地調査などを行った。なお平成27年度は繰越額がわずかであったため、分担金は研究代表者のみが使用することとした。そのため、研究業績も研究代表者のもののみとなっている。本年度の研究業績では、ケロプダス病院視察の報告やオープンダイアローグなどの「対話的アプローチ」と当事者研究との比較、精神医学に関する科学哲学的な検討、「身体化された認知」アプローチと精神医学の哲学との関係の検討、現象学的精神病理学においてキータームの一つになっている「共通感覚」に関する議論の検討などを行った。27年度はまた、本事業の主要な成果であるシリーズ書籍の準備を進めた。27年度中に出版することはできなかったが、東京大学出版会から3巻のシリーズ本として出版されることが決定し、印刷作業に入っている段階である。本事業の研究代表者、研究分担者、連携研究者が執筆しているほか、本事業の研究メンバーではカバーできないトピックについては、外部の研究協力者にも執筆を依頼した。本シリーズでは、精神医学および精神疾患を科学論と哲学、歴史と人類学、精神科医療における新たなアプローチ及び当事者研究と精神医学との関係などのテーマを設定し、精神医学の現状を様々な視点から再検討するとともに、精神疾患(精神障害)概念の再検討を進めた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち謝辞記載あり 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件)
石原孝二・筒井晴香編『共生のための障害の哲学Ⅱ』UTCP Uehiro Booklet, 12
巻: - ページ: 85-99
精神看護
巻: 19(1) ページ: 13-14