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2014 年度 実績報告書

望遠鏡と顕微鏡:イタリア・オランダ・イギリスとアカデミー

研究課題

研究課題/領域番号 24300297
研究機関神戸大学

研究代表者

塚原 東吾  神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (80266353)

研究分担者 三浦 伸夫  神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (20219588)
小笠原 博毅  神戸大学, 国際文化学研究科, 准教授 (20379332)
中島 秀人  東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (40217724)
隠岐 さや香  広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (60536879)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード科学機器 / 科学史 / 望遠鏡 / 顕微鏡 / 温度計 / 数学機器 / 化学史 / 計量史
研究実績の概要

各自の研究は、おのおのイタリア、フランス、オランダ、イギリスおよび日本を中心に進めている。三浦はヨーロッパでの調査の成果として、イタリアを中心に、数学機器としての比例尺の成立と伝搬についての小論を作成中である。塚原はオランダでのローマン博物館の光学機器コレクションの調査などを行い、オランダの科学機器について、同じ光学機器でも望遠鏡から顕微鏡への技術的な際についての検討を行い、一定の成果を得た。隠岐は「望遠鏡付き四分儀」を開発したピカールの業績と、それを継承して測地事業を行ったカッシーニの業績に注目して、新たな視点を開いている。小笠原はイギリスにおける視覚文化の問題に文化研究の観点から検証をこころみており、今後の成果が期待される。また同様にイギリスについて中島は、ロバート・フックの科学的業績を詳細に再検討し、ロイヤル・ソサイエティの科学実験機器の技術的起源を追及している。この研究プロジェクトに協力をしている平岡は日本における光学機器、とくに長崎におけるレンズ作成者の系譜をたどり、堅実な史料調査を展開している。
このように三浦・塚原の海外での現地調査や、国内外でのこの科研研究会のメンバーによる文献調査・史料・現物調査などさまざまな歴史学的手法をとり、それぞれの専門領域で、一定の成果につながる結果をだしている。これらをもって現在は、中間報告書の作成が進められているのだが、これは校正や編集上の手もかなりいれてあるため、なかなか出来がいいので、アウトリーチ用(一般向け)のものとしての刊行も視野に入れているが、今後の研究成果の最終報告に向け、どのような仕様をとるか、また研究の到達点をどのようにすり合わせるかを考えた検討に入ることにしている。以上が、現在までのおおまかな研究実績である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

調査は順調に進行している。三浦はイタリアを中心に、数学機器としての比例尺の成立と伝搬についての小論を作成中である。塚原はオランダでの光学機器コレクションの調査などを行い、同じ光学機器でも望遠鏡から顕微鏡への技術的な際についての検討を行い、一定の成果を得た。隠岐は「望遠鏡付き四分儀」を開発したピカールの業績と、それを継承して測地事業を行ったカッシーニの業績に注目している。イギリスについて中島は、ロバート・フックの科学的業績を詳細に再検討している。この研究プロジェクトに協力をしている平岡は日本における光学機器をたどり、堅実な史料調査を展開している。
このように現在は、中間報告書の作成が進められており、これはなかなか出来がいいので、アウトリーチ用(一般向け)のものとしての刊行も視野に入れて、今後の研究成果の最終報告に向け、どのようjに研究の到達点をどのようにすり合わせるかを考えた検討に入ることが現在までの研究実績である。

中間報告書も、順調に作成が進んでいる。

今後の研究の推進方策

中間報告書の最終的な作成、編集や図版の整備、および図版についての版権などの検討
それに伴うアウトリーチ活動による検証、この研究の成果について広く意見を世に問いながら、最終報告に向けてこれを還元させていく方向を模索する。
補完的な調査・検討、および最終報告会(国際シンポジウムを企画中)
最終報告書の仕様の検討および決定を行い、それぞれに研究成果を集成したあと、最終報告書の作成に入りたい。

次年度使用額が生じた理由

5557円は、旅費が、予定よりも安かったため。

次年度使用額の使用計画

本年度の旅費に、参入する。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 4件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] 展望:「科学と帝国主義」研究のフロンティア、ネットワーク・ハイブリッド・連続性などの諸コンセプトについてのノート2014

    • 著者名/発表者名
      塚原東吾
    • 雑誌名

      科学史研究

      巻: 53 ページ: 281-292

  • [雑誌論文] In the wake of “De Liefde”: the instrumental meteorological observations of the Vereenigde Oost-Indische Campagnie (VOC)2014

    • 著者名/発表者名
      Gaston R. Demaree, T. Mikami, T. Tsukahara and M. Zaiki
    • 雑誌名

      Bull. Seanc. Acad. R. Sci. Outre-Mer (Meded. Zitt. K. Acad. Overseese Wet.)

      巻: 59 ページ: 385-405

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 一八世紀科学における「公共の福祉」と社会 : パリ王立科学アカデミーと機械仕掛けの王2014

    • 著者名/発表者名
      隠岐 さや香
    • 雑誌名

      現代思想

      巻: 42 ページ: 186-191

  • [雑誌論文] 『百科全書』と啓蒙思想からみた「エコノミー」2014

    • 著者名/発表者名
      隠岐さや香
    • 雑誌名

      ニュクス

      巻: 1 ページ: 82-95

  • [雑誌論文] フィボナッチが学んだ数学,伝えた数学:パチョーリ『スンマ』2014

    • 著者名/発表者名
      三浦 伸夫
    • 雑誌名

      現代数学

      巻: 47 ページ: 65-70

  • [学会発表] 19世紀の中国沿岸部での気候再現と、戦時中の中支・北支の気象観測記録2014

    • 著者名/発表者名
      塚原東吾・財城真寿美
    • 学会等名
      満州の科学・医学史:核をめぐる戦時科学の連続性
    • 発表場所
      神戸大学(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2014-12-05 – 2014-12-06
    • 招待講演
  • [学会発表] Meteorological observations in the Philippines and other East and Southeast Asian countries since the nineteenth century: history, data rescue, and climate change.2014

    • 著者名/発表者名
      Masumi Zaiki, Ikumi Akasaka and Togo Tsukahara
    • 学会等名
      Disasters in History: The Philippines in comperative perspective
    • 発表場所
      Ateneo de Manila University(フィリピン、マニラ市)
    • 年月日
      2014-10-24 – 2014-10-25
    • 招待講演
  • [学会発表] グローバルな科学史研究のフロンティアと「蘭学」・「洋学」:パラダイム論、フーコー的権力論、ネットワーク・ハイブリッド・連続性などの諸コンセプトについて2014

    • 著者名/発表者名
      塚原東吾
    • 学会等名
      洋学史学会
    • 発表場所
      電気通信大学(東京都府中市)
    • 年月日
      2014-07-13 – 2014-07-13
    • 招待講演
  • [学会発表] Colonial Sciences on Geography, Forestry and Meteorology: Japanese colonial documents kept in Kyoto University2014

    • 著者名/発表者名
      Van Makita (Kyoto University) and Togo Tsukahara (Kobe University)
    • 学会等名
      “Science and Empires, what is the “British” Networks of Science?: from the perspective of colonial forestry and environment management.”
    • 発表場所
      Kobe University(兵庫県神戸市
    • 年月日
      2014-07-05 – 2014-07-06
    • 招待講演
  • [図書] 持続可能な環境?公害問題の歴史から、われわれは何を学んだのか2015

    • 著者名/発表者名
      栢木清吾・塚原東吾
    • 総ページ数
      186
    • 出版者
      神戸STS叢書
  • [図書] 満州の科学・医学史:核をめぐる戦時科学の連続性2014

    • 著者名/発表者名
      塚原東吾
    • 総ページ数
      174
    • 出版者
      神戸STS叢書
  • [図書] Science and Empires, what is the "British" networks of Science?2014

    • 著者名/発表者名
      Togo Tsukahara
    • 総ページ数
      100
    • 出版者
      Kobe STS Series
  • [図書] 医師の社会史:植民地台湾の近代と民族2014

    • 著者名/発表者名
      ロー・ミンチェン著(塚原東吾訳)
    • 総ページ数
      316+62
    • 出版者
      法政大学出版局

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公開日: 2016-06-01  

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