研究課題/領域番号 |
24300310
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
高田 良宏 金沢大学, 総合メディア基盤センター, 准教授 (30251911)
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研究分担者 |
古畑 徹 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (80199439)
山地 一禎 国立情報学研究所, 学術ネットワーク研究開発センター, 准教授 (50373379)
林 正治 一橋大学, 情報化統括本部情報基盤センター, 助教 (90552084)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 博物館情報学 / 非文献資料 / 学術資源群 / リポジトリ / WEKO / LIDO / 四高 |
研究概要 |
本研究は,俯瞰的・総合的な意味を有する学術資源の情報集合「学術資源群」の定義,および,形成手法と非文献資料のための汎用的なリポジトリ環境の確立を目的としている.本年度は,学術資源群の形成やメタデータの設計といった基礎的技術検討と社会への応用といえるリポジトリプラットフォームのシステム化,および,実証のための対象資料のデジタル化を行った.具体的な内容は次の通りである. 1.学術資源群の形成:大学の資料館所蔵の歴史的学術資料のうち,従来から歴史的調査が進んでいる資料に対して,昨年度の検討で採用を決定したLIDO(Lightweight Information Describing Objects)ベースのモデルを適用し,従来からのDC(Dublin Core)ベースのモデルと比較し優位性を確認した.さらに,既にDCベースのモデル上で登録公開されている資料の移行についても検討を行った.また,今年度は,学術資源群を管理する際の情報システム上での表現方法についての検討を開始した. 2.メタデータの設計: LIDOベースのモデルを実際のリポジトリとして運用するための検討を行った.LIDOベースのモデルは,従来のDCベースのモデルと比較し,資源情報を階層的に管理できる等の利点がある一方,博物館や資料館でのメタデータの管理が煩雑化するという欠点があるため,博物館・資料館での管理・運用や一般利用・研究利用を想定したモデル「LIDO簡易版モデル」を提案し設計を行った. 3.プラットフォームの開発:申請者らが汎用プラットフォームとして採用することを決定しているNIIのWEKOに対して,前述のLIDO簡易版モデルの提案を行い,NIIと共同でWEKOに実装した. 4.実証のための対象資料のデジタル化:本年度は旧制四高由来の教育用掛図・教示図のデジタル化を実施した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度も歴史的資料の発見による再調査等があり,資料のデジタル化で,若干遅れた面があるが,想定の範囲内である.一方,メタデータの設計およびプラットフォームの開発は,順調に進展しており,計画通りの成果を出すことができたため,全体的にみると概ね順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
今年度の実施を見送った一部資料のデジタル化については,次年度計画分と合わせて実施する.学術資源群の形成,メタデータの設計およびプラットフォームの開発に関しては,今年度の研究成果を発展させ,計画通りに研究開発を進める予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
サーバを既存機器上でVM環境として構築するなど,積極的に物品の節約を図った.これは,節約分を次年度予算に加え,実証のための対象資料のデジタル化など資料環境の整備においてより一層の進展を図るためである. 繰り越しが生じたのは,積極的に物品費の節約を図ったためであり,課題はほぼ当初計画通り進んでいる.節約分を次年度計画に加えることにより,デジタル化など資料環境の整備においてより一層の進展を図る予定である.
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