乳がんタモキシフェン治療を受けた240症例のDNAを用いてゲノムワイド関連解析を行った結果C10orf11上の遺伝子多型rs10509373がタモキシフェン治療後の予後と強い関連を示した。この遺伝子の機能を解明するためヒト正常組織における発現状況、細胞増殖への影響および結合タンパクを検索した。ヒト正常臓器では副腎等での発現を認めたが細胞増殖への影響は認めなかった。またマイクロアレイによる遺伝子発現情報解析によりwntシグナルとの関連が示唆され、今後乳がんにおけるwntシグナルとエストロゲン受容体との関連について検討を進めることでタモキシフェン感受性メカニズムが解明されるものと期待された。
|