研究課題/領域番号 |
24310020
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
熊本 雄一郎 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, 技術研究副主幹 (70359157)
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研究分担者 |
村田 昌彦 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, チームリーダー (60359156)
佐々木 建一 独立行政法人海洋研究開発機構, むつ研究所, 技術研究主任 (10443334)
山下 信義 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 主任研究員 (40358255)
浜島 靖典 金沢大学, 環日本海域研究センター, 助教 (60172970)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 気候変動 / 海洋科学 / 地球化学 / 地球変動予測 / 環境分析 |
研究概要 |
本研究課題の目的は、南極大陸をとりまく南大洋における、人為(化石燃料)起源二酸化炭素(CO_2)の吸収能力をより正確に評価することである。海洋における人為起源CO_2吸収量は大気中CO_2濃度の上昇にともなう地球温暖化予測に必要不可欠な情報であるが、限られた観測データによるその見積りには大きな不確かさが含まれる。特に広範な南大洋における吸収能力はその重要性が指摘されつつも、これまでに得られている解析結果間の差異は大きい。本課題では、溶存無機CO_2濃度増加から直接人為起源CO_2増加量を求めるだけでなく、海洋化学トレーサと呼ばれる炭素14、セシウム137、フロンガス、人工フッ素化合物を同時に測定することで、南大洋における人為起源CO_2増加量の見積りの確度を上げ、同海域におけるその吸収能を評価することを目的とする。研究計画初年度のH24年度は、(独)海洋研究開発機構の「みらい」航海MR12-05航海(H24年11月~H25年2月)に参画し、本研究に用いる海水試料採取、船上でのデータ取得をほぼ予定通りに実行することができた。研究代表者の熊本、研究分担者の村田、佐々木、山下は同航海に乗船し、それぞれ船上における溶存無機CO_2、アルカリ度、溶存酸素、栄養塩濃度、フロンガス(CFC-11、CFC-12、CFC-113)の測定、および放射性炭素14、放射性セシウム137、人工フッ素化合物(ペルフルオロオクタン酸、ペルフルオロオクタンスルホン酸等)分析のための海水試料の採取を行った。研究分担者の浜島は、極微量放射性セシウム分析のための、技術的な検討を行った。船上で得られた測定データについては、第一次のデータ品質管理が終了し、間もなくプレリミナリークルーズレポートとして公開される。採取された海水試料は、H25年3月末に各担当者の研究室に移送が終了したばかりであり、今後分析を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
観測航海準備も順調に進み、航海も比較的好天に恵まれた結果、ほぼ予定通りの海洋観測と試料採取を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初研究計画のとおり、船上で得られた測定データについては、今後1年程度をめどに最終的な品質管理とデータ化解析を実施する。試料分析については、今後1~1.5年をめどに実施される。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度の助成金の残額241,137円は、主に来年度以降本格的に開始する海水試料の分析用消耗品の購入に充て、試料測定計画の推進を図る。
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