研究実績の概要 |
環境放射性物質の影響が緊急に問題になっている高汚染地域の湿地(福島県北部太平洋側の河道内湿地)、低汚染地域の湿地(霞ヶ浦、涸沼湿地)及び非汚染地域(尾瀬ヶ原、釧路湿原)を比較対象とし,自然の豊かな湿地生態系において,1)放射性物質(Cs137,Cs134)の物質収支および湿地植物への移行率評価と 2)生態系機能評価を調査・解析・モデル化を行い,湿地生態系への環境放射能の影響評価手法を得ることを目的とした。 (4)詳細な汚染地域マップの作成と汚染量低減課程のモデル化 詳細な汚染地域マップの作成と汚染量低減課程のモデル化を高汚染地域の湿地(福島県北部太平洋側の河道内湿地)で行った。 1)福島4河川オルソモザイク化 震災前 2006年オルソ地表解像度 28cm、 震災後 オルソ地表解像度 宇多川:16cm、他3河川:オルソ地表解像度:24cm。2)福島4河川の河道内湿地の航空写真からの植生自動判別、ヨシ、ススキ、オギ、ガマ、開水面、裸地、他に類型区分、植生毎にGIS化、面積等を求めた。3)福島4河川の河道内湿地の微地形の測定を行った。4)詳細な底質汚染地域マップの作成、空間線量計(Thermo社製)を用いて、植生図を元に底質の環境放射能を測定し、GIS化した。また、空間放射線量の現地調査を行いそれぞれの関係を明らかにした。5)詳細な湿地植物の汚染地域マップの作成、底質の環境放射能、移行係数、植生図、密度、草高等のデータを元に、相関関係を求めて湿地植物群落毎に汚染地域マップを作成した。6)土砂流失、堆積の現地観測データから底質及び湿地植物の放射性物質分布の地図化を行った。
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