研究課題/領域番号 |
24310028
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
河野 博 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (90234707)
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研究分担者 |
石丸 隆 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (90114371)
神田 穣太 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (60202032)
川邉 みどり 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (80312817)
馬場 治 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (40189725)
茂木 正人 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (50330684)
中田 達也 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (00597289)
鈴木 直樹 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (70293090)
宮崎 奈穂 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 助教 (90345405)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 東京湾 / 沿岸域管理 / ワークショップ / 参加型アクションリサーチ / サイエンスカフェ / 海の科学 |
研究概要 |
本研究の目的は、大学が関わる沿岸域の持続的利用のしくみづくりのモデルを、東京湾について開発し、さらにそれを実際に展開することである。そのために今年度(H25)は、① 東京湾を中心とした沿岸域に関する基本的な自然・社会科学的知識を体系化し、教材化するとともに、② 参加型アクションリサーチプログラムの設計と実践をおこなうことで、③ 市民を含む多様な関係者が協議して沿岸域に関わる政策を立案する場を形成する道筋を示す、といった研究をおこなった。以下に具体的な内容を示す: ①として平成24年度におこなった「みなと塾:江戸前の海の今を知ろう」をベースにしたファクトシートを昨年度末に作成したが、今年度はそれを③の「港区教員研修大学講座:『海のなかの「食べる・食べられる」をのぞいてみよう」を体験していただきます』」(7月)や「江戸前みなと塾:『江戸前の海の開発と保全を考える2日間』」(12月)で活用した。さらに②として、本学の大学院生が主体となって、大田区と共同で「江戸前の海を知ろうwith海洋大院生」(12月)という講座を実施した。また③の一環として、児童向けには、港区立港南小学校での出前授業「運河について知ろう」(6月)や港区立高輪図書館での「チリモンを探せ」(7月)、さらに江戸川区立の4小学校の6年生300人を対象にした「葛西臨海たんけん隊:『海の中の「食う食われる」の関係を見てみよう』」(7月)を実施した。また、大人向けには、環境省の研修の一環である「地域の環境を題材とした環境教育の取り組み」(9月)でワークショップをおこない、千葉県の生物多様性会議では『江戸前の海を持続的に利用するための仕組みづくり~大学にできること』(11月)といった講演をおこなった。 これらの研究実績を統合すると、「政策を立案する場を形成する道筋」が、少し見えてきたと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
自然科学的研究や参加型アクションリサーチプログラム、あるいは児童から大人までを対象とした出前授業や講演、ワークショップについては、当初の計画以上に進展することができた。しかし、社会科学的知識の体系化と教材化については、研究者が個々に情報の収集や解析等をおこなっているものの、当初計画していたようなファクトシートの作成や事例研究の論文などの発表はできなかった。そのため、本研究全体としては、「おおむね順調に進展しているものの一定の分野で少し遅れている」と自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
自然科学的研究、とくに魚類については東京湾での出現などをまとめ、さらに水質や身近にみられるプランクトンなどの教材を作成することで、沿岸域の自然科学的知識の体系化・教材化をはかる。参加型アクションリサーチプログラムを実施するだけではなく、来年度は最終年となるので、港区や大田区、あるいは江戸川区で実施してきた内容の総括をおこなう。さらに社会学的研究については、得られた個々の知識の体系化をはかり、ファクトシートや論文、あるいはワークショップなどを通して情報を発信する。
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次年度の研究費の使用計画 |
第一の理由は、当該年度に予定していた海外での調査ができなかったことである。これは、出張を予定していた共同研究者と海外の研究者との日程調整がうまくできなかったことによる。もう一つの理由は、人件費の使用が少し少なかったことがあげられる。これは、研究活動が停滞していたわけではなく、活動自体はおこなったものの、例えば7月に実施した小学6年生300人を対象にした事前事後のアンケートの結果をまとめきれていなかったり、他の活動でおこなったアンケートをきちんと整理し解析していなかったりしたためである。 以上、2点の理由で「次年度使用額」が生じてしまった。 今年度には、昨年実施できなかった海外での調査を実施する予定である。また、大量にあるアンケートについても、整理・解析し、できれば公表することを予定している。
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