研究課題/領域番号 |
24310029
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
栗山 浩一 京都大学, 農学研究科, 教授 (50261334)
|
研究分担者 |
柿澤 宏昭 北海道大学, 農学研究院, 教授 (90169384)
立花 敏 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (50282695)
庄子 康 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (60399988)
山浦 悠一 北海道大学, 農学研究院, 助教 (20580947)
小野 理 北海道立総合研究機構, 環境科学研究センター, 主査 (20557285)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 森林政策 / 生物多様性 / 環境経済学 / 環境評価 / 経済実験 |
研究概要 |
生物多様性を保全する上で森林政策は大きな影響力を持っている。だが、これまでの補助金を中心とした日本の制度は林業振興を目的としたものであり、生物多様性の保全には従来とは異なる新たな制度が不可欠である。 本研究では、生物多様性の保全が森林所有者の利益に直結する経済的インセンティブを利用した新たな政策について検討し、その効果を環境経済学と森林生態学の方法論に基づいて分析する。海外ではPES(payment for ecosystem services : 生態系サービスへの支払い制度)に関する研究が進んでいるが、本研究では日本型PESの導入により林業振興と生態系サービスの提供を両立させる制度の可能性について、北海道の実証研究をもとに分析を行う。 本年度は、人工林において生物多様性を考慮した森林管理のあり方について生態学的観点から分析を行った。千歳国有林のトドマツ人工林とアカエゾマツ人工林を対象に幅100m、長さ200mの調査区を設定し、その中の鳥類個体をカウントした。カウントされた個体数を応答変数、調査地のhaあたりの植栽針葉樹の胸高断面積合計(m2/ha)を説明変数とした一般化線形モデルを構築した。その結果、多くのケースで、植栽針葉樹の胸高断面積合計が増加すると鳥類個体数が単調減少することが明らかになった。この分析結果をもとに、人工林の森林管理が生物多様性に及ぼす影響を検討した。また森林政策が森林所有者の行動に及ぼす影響を検討するためには、森林所有者に対するアンケート調査が必要であることから、現地調査を実施するとともに調査票の設計を進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画では予定されていたとおりに生態学的分析と現地調査を実施した。生態学的分析では,森林管理と野鳥の個体数の関係を明らかにすることができた。現地調査では森林所有者の現況を把握することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度の研究成果を踏まえて,現地調査と森林所有者を対象としたアンケート調査を実施する予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
現地調査および研究打ち合わせなどに旅費を使用する予定である。アンケート調査等で人件費および外注費を用いる予定である。
|