• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

市民のリスク認知とゼロリスク要求の構造と変化:新たな合意形成手法の開発に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 24310030
研究種目

基盤研究(B)

研究機関京都大学

研究代表者

村山 留美子  京都大学, 工学研究科, 助教 (20280761)

研究分担者 内山 巌雄  (財)ルイ・パストゥール医学研究センター, 研究員 (20151897)
中畝 菜穂子  国立教育政策研究所, 教育課程研究センター研究開発部, 研究員 (00321563)
岸川 洋紀  武庫川女子大学, 生活環境学部, 講師 (70469071)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードリスク / リスク認知 / ゼロリスク / 社会調査
研究概要

今後のリスクコミュニケーションに必要な,リスク認知やゼロリスク要求の構造を把握するために,様々なリスク対応や現在の社会におけるそれらのリスクの取り扱われ方やに関する最新の情報を集め,特に震災後に国内で実施された調査等の知見についてのレビューを行った他,実際の被災者の避難の動向や置かれている現状についての小規模の聞き取り調査やアンケート調査,また実際に市民が放射線等に係わるリスクについてどのようにとらえているかについて,リスクコミュニケーションの現場における小規模のアンケート調査を実施して現状を明らかにした。また,1999年,2003年,2008年に実施されたリスクレベルに関する調査についてとりまとめ,経年変化について検討を行った。その結果,大気中の発がん性化学物質についてゼロリスクを求める人は各年ともに1割程度で大きな差は認められず,例えば性別においても,どの実施年のデータにおいてもゼロリスクを選択した人の割合は男性が女性を上回っていたが,大きな差は認められず,顕著な経年変化は見られなかった。また同様に他の属性においても顕著な差の変動は認められなかった。一方,ゼロリスクを除く全体の年間リスクレベルの選択においては,1999年,2003年では大きな変化は見られないが,2008年のデータでは,やや低いリスクを選択する人の割合が高くなっていた。ただし,この傾向は女性に於いて顕著であり,男性では低いレベルのリスクを選択する人の割合は1999年~2003年の間に変化は見られないことなどを明らかにした。
更に,上記レビュー及び各調査の結果をまとめ,次年度調査の内容及び項目設定の検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請した計画通り,様々なリスク対応に関する最新の情報を集め,これまで行われている研究の知見について子細に検討しレビューを行った。また,申請時実施を計画していた震災時における市民の被災状況把握のための事前調査については,小規模の集団に対する聞き取り調査が主となったが,その内容について解析を行い必要な情報を得ている。

今後の研究の推進方策

特に合意形成に大きな影響があると思われるゼロリスク要求に関して,今回の大規模災害への自己関与の意識の程度などの側面からその特性を解明し,適切なコミュニケーションに必要な市民のリスク認識とゼロリスク要求についての新しい知見を示すとともに,震災の影響を明らかにし,震災後の合意形成の現場に必要な提言の作成を〓す。

次年度の研究費の使用計画

前年度に引き続き文献調査等を行うほか,前年度の文献調査及び事前調査の結果に基づいて調査票を作成し,全国の男女20歳以上の2000人を対象とした面接調査を実施する。内容は,リスク事象に対する市民の認知およびゼロリスク要求の構造についての震災後の全体像を把握と,大震災および原発事故に関わる変動の解明である。

URL: 

公開日: 2014-07-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi