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2014 年度 実績報告書

沈水植物復活阻害要因の解明と復活後の持続的生態サービス利用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24310053
研究機関東京大学

研究代表者

山室 真澄  東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (80344208)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード沈水植物 / 除草剤 / 浮葉植物 / 抽水植物 / 貧酸素化
研究実績の概要

本研究は、日本の平野部にある湖沼の多くで沈水植物が復活しない原因を、大型実験池を用いた実験、現地調査などによって解明することと、沈水植物が復活した水域で生じている悪影響を現地調査に基づいて整理し、その防止策を提案することを目的としている。最終年度であるH26年度は前年度に続いて、沈水植物を植栽した大型実験池での観察を行った。5月には沈水植物の発芽が認められ、また緑藻類も繁茂していた。しかし7月になって沈水植物も緑藻類も消滅した。一方、ハスやヒメガマなどを植栽した別の池ではどちらも繁茂していた。この状況はハスや抽水植物だけが残っている現在の手賀沼と一致する。手賀沼で沈水植物が消滅した時期は水田除草剤使用開始時(1950年代後半)である。実験池においても6月に集中豪雨が生じて水田から流出した水が流れ込んだ可能性が高いこと、また沈水植物だけでなくアメリカザリガニの食害を受けない緑藻も消滅したことから、除草剤の影響で消滅した可能性が高いと判断した。このことから沈水植物の1種であるセキショウモの実生を使って、水田からの排水が発芽に与える影響を検討した。使用したのは霞ヶ浦流入河川上流部で降雨時に採水した河川水である。霞ヶ浦も手賀沼同様、沈水植物は復活していない。実験の結果、河川水で育てた実生は芽や根を伸ばすことなく溶解した。実験水からは除草剤成分は検出できなかったが、分子量が249で水溶性の物質が高濃度に検出されたことから、この成分が原因である可能性がある。宍道湖では水田除草剤の使用量が減少した2007年頃から沈水植物が生えるようになったが、塩分上昇により沈水植物が繁茂できない年には植物プランクトンの1種である珪藻が繁茂した。この時、二枚貝ヤマトシジミが珪藻を餌として濾過することで、沈水植物繁茂時より透明度は高くなっていた。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額が生じた理由

26年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額の使用計画

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) 備考 (4件)

  • [雑誌論文] カドハリイの越冬芽の形態と分類学的ノート2015

    • 著者名/発表者名
      藤井伸二
    • 雑誌名

      分類

      巻: 15 ページ: 未定

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] アサザとヨシから溶出する有機炭素量とその分画2015

    • 著者名/発表者名
      上原達弥・山室真澄
    • 雑誌名

      陸水学雑誌

      巻: 76 ページ: 1-10

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 宍道湖における沈水植物大量発生前後の水質2014

    • 著者名/発表者名
      山室真澄・神谷 宏・石飛 裕
    • 雑誌名

      陸水学雑誌

      巻: 75 ページ: 99-105

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 日本の汽水湖沼での異常繁殖が懸念される淡水産沈水植物・浮葉植物の繁茂が確認された塩分範囲2014

    • 著者名/発表者名
      山室真澄
    • 雑誌名

      陸水学雑誌

      巻: 75 ページ: 113-118

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 宍道湖の浅場造成地における堆積環境2014

    • 著者名/発表者名
      安部雄大・山室真澄
    • 学会等名
      第17回河川生態学術研究会
    • 発表場所
      発明会館(東京)
    • 年月日
      2014-11-12 – 2014-11-12
  • [学会発表] CODを指標としたヨシとアサザによる水質浄化機能の定量化2014

    • 著者名/発表者名
      山室真澄・上原達弥
    • 学会等名
      応用生態工学会第18回大会
    • 発表場所
      首都大学東京 南大沢キャンパス
    • 年月日
      2014-09-19 – 2014-09-19
  • [学会発表] 水域における自然再生事業と環境教育2014

    • 著者名/発表者名
      山室真澄
    • 学会等名
      日本陸水学会第79回大会
    • 発表場所
      つくば国際会議場
    • 年月日
      2014-09-13 – 2014-09-13
  • [備考] 手賀沼実験池

    • URL

      http://d.hatena.ne.jp/Limnology/20140508

  • [備考] 再びアサザとアオコ?

    • URL

      http://d.hatena.ne.jp/Limnology/20140616

  • [備考] 手賀沼の現状

    • URL

      http://d.hatena.ne.jp/Limnology/20140708

  • [備考] 手賀沼ではなぜハスがはびこるのか

    • URL

      http://d.hatena.ne.jp/Limnology/20141003

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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