研究課題
平成26年度における研究は、パルスパワー法による実汚染コンクリートの骨材分離試験を実施し、放射性セシウムで汚染したコンクリートを骨材とセメントペースト部(以下スラッジ)に分離回収することによる除染・減容性を評価することを目的とする。福島第一発電所の事故に伴って発生した放射性セシウムで汚染したコンクリートを入手し、パルスパワー法によって骨材とスラッジに分離・回収した。回収した骨材およびスラッジは、それぞれGe半導体検出器による波高分光分析によって放射能濃度が測定され、汚染コンクリートの除染性能を評価資料とした。福島第一発電所事故由来の放射性セシウム汚染コンクリートは、汚染した道路用側溝の蓋3枚を新しい側溝の蓋と交換し、入手した。各々は切断、調整加工してパルスパワーによる除染試験に供された。イメージングプレートによる放射能分布の測定より、供試体に存在する一部の粗骨材表面に放射性セシウムが多く沈着しており、表面から約3mmの位置までセシウムは浸透していた。パルス破砕試験後に回収した試料の品質測定による分析の結果から、放電回数を増加することにより骨材品質が良好になるとともに、放射性セシウム含有量が低下することが確かめられた。ふるい分け試験により、回収粗骨材は粒度が比較的の小さく、一方で回収細骨材は比較的粒度が大きい.このことは、パルス放電エネルギーが高い場合に、原粗骨材の破砕、細粒化が生じるためと判明した。パルス放電による破砕試験後の回収試料の放射能測定の結果より、パルス放電により骨材に付着していたモルタルが剥落し、このモルタル中に吸着していた、あるいは粗骨材表面に付着していた放射性セシウムも共に除去可能であることが明確になった。また、水中放電に使用した水槽中の水についての放射能濃度分析結果から、放射性セシウムは全く溶解しておらず、細骨材(残渣)、微粒分に残存している事も判明した.
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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