フッ素系イオン液体は様々なエネルギーデバイスへの導入が進んでいるが、廃棄物の分解処理方法が確立されていない。高温での焼却は可能であるが、高エネルギーが必要なだけでなく、発生するフッ化水素ガスが焼却炉材を損傷する問題がある。以上の背景から本研究では焼却によらない、低エネルギー的な手法でこれらをフッ化物イオンまで分解する方法の開発を目指した。代表的な化学種であるビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド類について、亜臨界水および超臨界水中で種々の還元剤あるいは酸化剤を添加した反応を検討した。その結果、375℃の超臨界水状態で還元剤としてFeOを用いることで最も効果的に分解できることが分かった。
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