研究課題/領域番号 |
24310063
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 公益財団法人神奈川科学技術アカデミー |
研究代表者 |
高木 克彦 公益財団法人神奈川科学技術アカデミー, イノベーションセンター兼高度計測センター, 研究顧問兼有機系太陽電池評価プロジェクトプロジェクトリーダー (60023264)
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研究分担者 |
酒井 宗寿 公益財団法人神奈川科学技術アカデミー, 重点研究室光触媒グループ, 常勤研究員 (00392928)
中田 一弥 公益財団法人神奈川科学技術アカデミー, 重点研究室光触媒グループ, 常勤研究員 (70514115)
勝又 健一 東京工業大学, 応用セラミック研究所, 助教 (70550242)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 環境負荷低減 / 光触媒 / モノリス構造体 |
研究概要 |
モノリス構造体(細孔が貫通した共連続構造)は、有機・無機のいずれでも形成することが可能である。この"モノリス構造体"を"材料設計"に取り入れ、「TiO_2光触媒の骨格直接形成方法」及び「光触媒ナノ粒子の3次元的な配置・固定(バインディング)方法」の検討から、高効率環境浄化材料の創成を目指した。 平成24年度の達成目標であった、光触媒機能を発現させるモノリス構造体(TiO_2骨格直接形成型)細孔径制御において、メソ孔サイズを維持しつつ細孔径を制御する方法について基礎的知見を得ることができた。同時に、焼成時の収縮を制御し、ルチル型のモノリス構造体の形成にも成功した。それ故、「可視光応答性の付与」に対して、ドープ型及び坦持型の何れの選択も可能になり、平成25年度の手法の選択性を広げることができた。 加えて、空気浄化試験及び水中色素分解試験等による機能性評価から、それぞれに最適な細孔径と結晶系について知見を得た。 一方、自己エッチング型(各種形状の光触媒ナノ粒子のバインディング)のメカニズムの検討ために、各種含有率でTiO_2光触媒を骨格(エポキシ樹脂)内に格納させ、表面の剥離過程(新陳代謝による汚染除去機能)の違いを確認した。また、硬化剤の最適化により、弾性体へのコーティングも可能にした。この骨格を疎水処理すると140度以上の高撥水性を示すが、5Mass%以上のTiO_2光触媒を含有させると、一定の抗菌性能を発現させていることを明らかにした。 さらに、研究の進展により、TiO_2光触媒を用いたセルフクリーニング材料の設計指針を最適化するには、光誘起超親水性を発現させた際の結晶表面上における水分子の構造化(水膜)について、同時に探究する必要があるとの認識に至った。それ故、数10nm未満と想定されている水膜の探求のため、中性性線回析を用いて水分子配列構造を明らかにするための予備的な準備を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の達成目標であった、光触媒機能を発現させるモノリス構造体(TiO_2骨格直接形成型)細孔径制御において、メソ孔サイズを維持しつつ細孔径を制御する方法について基礎的知見を得ることができた。焼成時の収縮を制御し、ルチル型のモノリス構造体の形成にも成功している。今年度の計画にある「可視光応答性の付与」に対して、ドープ型及び坦持型の何れの選択も可能であり、「研究の目的」に対して概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画書通り、「比表面積の増大方法」及び「可視光応答性付与方法」の検討を推進する。加えて、研究の進展により、実用性に富む新しいセルフクリーニング材料の設計指針に繋げるために、中性性線回析(J-PARK)超親水性を呈した際のTiO_2結晶面上における水分子の構造化の検討を研究課題として追加した。
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次年度の研究費の使用計画 |
2つのプロセス(可視光応答性の付与・表面積の増大)を最適化と耐久性評価(耐候性促進試験)を開始することから、試薬(各種金属アルコキシド等)を中心に使用する予定である。その際のサンプル作製を担当する研究補助員の人件費についても支出する予定である。
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