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2014 年度 実績報告書

微生物・植物細胞に発現する環境ナノリスクの評価

研究課題

研究課題/領域番号 24310066
研究機関大阪府立大学

研究代表者

野村 俊之  大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00285305)

研究分担者 徳本 勇人  大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (70405348)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードナノリスク / 微生物細胞 / 植物細胞
研究実績の概要

近年、ナノ粒子を応用した製品が多数市販されているが、ナノ粒子が生体に及ぼす影響は不明な点が多く、そのメカニズムの解明は社会的急務である。本研究では、食物連鎖の底辺を支える微生物、植物を対象としてナノ粒子の毒性影響を明らかにするとともに、ナノ粒子が上位の生物界に与える影響を考慮したナノ粒子の環境毒性評価法を提案することを目的とする。
微生物を対象としたナノリスク評価では、糸状菌A. oryzaeとA. nidulansをモデル細胞として、等張液中においてPSLナノ粒子の毒性実験を行った。その結果、イオン強度の低いスクロース溶液中では、静電相互作用により細胞表面がナノ粒子により被覆して細胞は死滅することが分かった。一方、イオン強度の高い生理食塩水中では、ナノ粒子はA. oryzae細胞に取り込まれたが、A. nidulans細胞には取り込まれず、細胞壁で捕捉されることが分かった。これは細胞のyoung率の違いに起因していることを原子間力顕微鏡測定により示した。また、寒天培地で培養した糸状菌を用いてナノ粒子の暴露実験を行うと、両親媒性タンパク質Hydrophobinが生成されて細胞表面を保護するため、ナノ粒子が付着しないことが分かった。複合微生物を対象としたナノリスク評価では、次世代シークエンサーを用いて、メタン生成細菌のOTU(一種類の細菌種であると判断する分類上の単位)検出に成功した。その結果、嫌気複合菌叢中において、酸化亜鉛ナノ粒子がメタン生成細菌に対して毒性を発現することを新たに見出した。植物細胞を対象としたナノリスク評価では、花粉管や根のような伸長細胞に対して、溶解した亜鉛イオンだけでなく、酸化亜鉛ナノ粒子が直接毒性を及ぼし、その伸長成長を阻害するナノリスクが発現することを明らかにした。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額が生じた理由

26年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額の使用計画

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件、 査読あり 1件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Cytotoxicity of Functionalized Polystyrene Latex Nanoparticles Toward Lactic Acid Bacteria, and Comparison with Model Microbes2015

    • 著者名/発表者名
      T. Nomura, Y. Kuriyama, H. Tokumoto, Y. Konishi
    • 雑誌名

      Journal of Nanoparticle Research

      巻: 17 ページ: 150-1~10

    • DOI

      10.1007/s11051-015-2922-8

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Adhesion and internalization of functionalized polystyrene latex nanoparticles toward the yeast Saccharomyces cerevisiae2014

    • 著者名/発表者名
      J. Miyazaki, Y. Kuriyama, A. Miyamoto, H. Tokumoto, Y. Konishi, T. Nomura
    • 雑誌名

      Advanced Powder Technology

      巻: 25 ページ: 1394~1397

    • DOI

      10.1016/j.apt.2014.06.014

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] PSLナノ粒子がバイオフィルムに及ぼす毒性影響2015

    • 著者名/発表者名
      藤澤瑛梨,小西康裕,野村俊之
    • 学会等名
      第17回化学工学会学生発表会(徳島大会)
    • 発表場所
      徳島大学(徳島)
    • 年月日
      2015-03-07
  • [学会発表] 糸状菌を用いたPSLナノ粒子の付着・取込現象の評価2015

    • 著者名/発表者名
      山本 亮,小西康裕,野村俊之
    • 学会等名
      第17回化学工学会学生発表会(徳島大会)
    • 発表場所
      徳島大学(徳島)
    • 年月日
      2015-03-07
  • [学会発表] ポリスチレンラテックスナノ粒子の酵母細胞への付着・取込現象の評価2014

    • 著者名/発表者名
      宮崎準平,栗山雄太,宮本顕久,徳本勇人,小西康裕,野村俊之
    • 学会等名
      2014年度粉体工学会秋期研究発表会
    • 発表場所
      東京ビッグサイト(東京都江東区)
    • 年月日
      2014-11-25 – 2014-11-26
    • 招待講演
  • [学会発表] ポリスチレンナノ粒子がバイオフィルムに及ぼす毒性影響2014

    • 著者名/発表者名
      藤澤瑛梨,小西康裕,野村俊之
    • 学会等名
      2014年度粉体工学会秋期研究発表会
    • 発表場所
      東京ビッグサイト(東京都江東区)
    • 年月日
      2014-11-25 – 2014-11-26
  • [学会発表] 生きた微生物に働く相互作用力の直接AFM測定2014

    • 著者名/発表者名
      豊田峻介,小西康裕,野村俊之
    • 学会等名
      2014年度粉体工学会秋期研究発表会
    • 発表場所
      東京ビッグサイト(東京都江東区)
    • 年月日
      2014-11-25 – 2014-11-26
  • [学会発表] コロイドプローブAFM法を用いた生きた大腸菌の付着力測定2014

    • 著者名/発表者名
      豊田峻介,小西康裕,野村俊之
    • 学会等名
      第46回化学工学会秋季大会
    • 発表場所
      九州大学(福岡)
    • 年月日
      2014-09-17 – 2014-09-19
  • [学会発表] 糸状菌への高分子ナノ粒子の取込現象の探索2014

    • 著者名/発表者名
      中川拓実,谷修治,小西康裕,野村俊之
    • 学会等名
      第46回化学工学会秋季大会
    • 発表場所
      九州大学(福岡)
    • 年月日
      2014-09-17 – 2014-09-19
  • [学会発表] モデル流路内での微生物細胞の付着と脱離抗力の解析2014

    • 著者名/発表者名
      吉原章仙,小西康裕,野村俊之
    • 学会等名
      第46回化学工学会秋季大会
    • 発表場所
      九州大学(福岡)
    • 年月日
      2014-09-17 – 2014-09-19
  • [学会発表] ナノ粒子の微生物細胞への付着・取込現象の解明とその利用技術の開発2014

    • 著者名/発表者名
      野村俊之
    • 学会等名
      粉体工学会『ナノ粒子と細胞の相互作用に関するワークショップ』
    • 発表場所
      福岡大学(福岡)
    • 年月日
      2014-09-16
    • 招待講演

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公開日: 2016-06-01  

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