研究課題/領域番号 |
24310077
|
研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
岡村 勝也 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 准教授 (50415048)
|
研究分担者 |
高山 健 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (20163321)
和気 正芳 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, その他部局等, 功労職員 (90100916)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 高放熱パッケージ / 両面放熱 / 低インダクタンス |
研究概要 |
本研究では耐放射線性と高耐圧を持つSiC-JFETのベアダイを3D放熱のオリジナルパッケージに実装した新型半導体スイッチ素子を開発し、2kV-50A-1MHzの連続通電が可能な超高性能の半導体パワーデバイスを実証し、加速器電源に供することを目的としている。 本年度はパッケージの詳細設計を行うとともに、ダミーチップを封入したパッケージ(モックアップ)を実際に試作し、その性能評価を行った。また、3次元の有限要素法プログラムANSYSを用いて、インダクタンスと放熱性能の詳細解析を行った。解析結果によれば、インダクタンスは9nHと評価され、放熱性能としてはパッケージ全体の発熱量が1kWのとき、素子の温度上昇は170Kと評価された。 モックアップの評価では最初にインダクタンス性能についての検証を行った。モックアップパッケージでは素子自身のスイッチ機能は有しないため、外部に設けた高速スイッチにより高di/dtのパルス通電を行い、誘導される電圧を測定することにより、インダクタンスを評価した。その結果、パッケージのインダクタンスは7nH~10nHと評価され、解析とほぼ一致することが確認された。次に直流電源を用いてオーム損失を与えて放熱性能の評価を行った。250Wの損失のとき、チップの温度上昇は106Kであった。試験結果を1kWに外挿すると260Kと評価され、この結果は解析よりも150%高かった。差異が生じた原因としてはダミーチップの表面状態が悪く金メッキが不均一となって銀ナノペーストによる固着が不完全であったことが考えられる。 次年度はチップの表面処理の最適化について再度検討を行い、実チップを用いたパッケージを製作、評価する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
モックアップモデルを試作しその性能評価を行ったが、その放熱性能が目標に達しなかった。チップの表面処理が不完全であったことに原因があると考えられるので表面処理の条件出しを再度検討する。
|
今後の研究の推進方策 |
チップ表面処理の条件最適化を検討し、実機能チップを用いて最終試作を行う。最終試作においては外筐器を含めた最終形態までの試作を行い、スイッチング機能を含めた評価実験に供する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度に表面処理試作1回を追加することにしたため、充当費用を繰り越した。 ダミーチップを用いた半導体チップの表面処理試作1回を行った後、実機能素子を用いた本番パッケージを試作する。
|