研究実績の概要 |
1.モノマー配列を制御したキラルポリ(1,3-フェニレンエチニレン)型ポリラジカルの合成 4-(3,5-ジエチニルフェニル)フェニルニトロニルニトロキシドとニトロニルニトロキシド残基と光学活性な1-フェニルエチルアミノカルボニル基を有する3,5-ビス[(3-ヨードフェニル)エチニル]ベンゼン誘導体をPd(PPh3)4触媒によりクロスカップリング反応させることで対応するポリ(1,3-フェニレンエチニレン)誘導体を新規に合成した。モノマー単位として1量体と3量体を重合させることで、らせん折り畳み構造形成時にフェニルニトロニルニトロキシド残基とニトロニルニトロキシド残基が交互に積層する構造のポリマーを合成できた。また、水素結合性の光学活性基を有することから、クロロホルム溶液中でも片巻優先のらせん折り畳み構造を形成した。 2.ポリ(9,10-アントリレンエチニレン)型ポリラジカルの主鎖スピン分極構造の設計 2,6位に2,6-ジ-t-ブチルフェノール残基を有するポリ(9,10-アントリレンエチニレン)を合成し、化学酸化条件とスピン状態の関係を明らかにした。 3.モノマー配列をプログラムしたオリゴアントリレンエチニレン誘導体の合成 2,7位に2,6-ジ-t-ブチルフェノール残基を有する9,10-ジエチニルアントラセンのエチニル基にN,N'-ジメチルアニリンとニトロベンゼンをそれぞれ置換することで、ドナー・アクセプター相互作用により反平行に配列してH会合することを明らかにした。対応するオリゴラジカルの磁気的性質を明らかにした。また、1,3-ビス(4-ブロモフェニル)プロパンと重合することで、2,6-ジ-t-ブチルフェノール残基を有する9,10-ジエチニルアントラセン構造が折りたたまれたポリマーを合成できた。
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