研究課題
本研究は、代表者が見いだしたメゾスコピックスケール(~数十nm)のらせんピッチを持つ「メゾらせん構造」をベースに、均一なキラリティとメゾスコピックスケールのらせんピッチを備える金属らせん構造が高分子マトリクス中に配列した「メゾらせんハイブリッド構造」の実現を目指している。H25年度までの2年間の研究において、金ナノ粒子の相分離ドメインへの導入に対する基礎的な知見を得ることができた。外部磁場印可装置が完成し、また、当初計画していた低分子のキラリティを利用したらせん相の巻き方向制御は効果が不十分であることが分かった。上記の成果を踏まえて、H26年度は、金ナノ粒子のサイズを制御しながららせん相への選択的導入による金属化を進めた。その際、前年度の(メゾらせん構造とは異なる)Gyroid構造への金粒子の導入実験で得られた指針に従った。その結果、金ナノ粒子の粒径がらせん相の直径の1/4~1/3程度以下であればらせん相への選択的導入が可能であることが分かった。次に、このようにして作製した金属含有メゾらせん構造に外部磁化印可装置を作用させ、らせん相の巻き方向の制御を試したが、残念ながら地場の印可の有無により顕著な違いは見られなかった。しかし、メゾらせん構造を薄膜内で垂直配向させた試料のらせん相の巻き方向を電子線トモグラフィ法により精密に測定したところ、一部の試料でらせんの巻き方向が完全に揃うという結果が得られた。この場合、メゾらせん構造が基板に対して少し傾いており(約8度ほど)、そのために隣接するらせん相の「位相」がずれたことで高分子鎖間の立体干渉が減少したことが原因と考えられる。また、垂直配向が起こる際には基板側から構造形成が起こることも判明した。基板側にメゾらせん構造を少し傾いてアセンブルするような凹凸を付けることでらせん相のキラリティの制御の可能性を見いだしたことになる。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 13件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 5件)
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