研究課題/領域番号 |
24310108
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
貞広 幸雄 東京大学, 空間情報科学研究センター, 教授 (10240722)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | オブジェクト指向 / 空間解析 / ネットワーク |
研究概要 |
本年度はまず,前年度に開発した,平面上の軌跡分布に対する解析手法の適用を行った.適用対象としては,ネットワーク上の軌跡分布の際に元データとして利用した,GPSで取得した人間の移動軌跡を用いた.GPSデータは,人間が道路などのネットワーク空間を移動していても,誤差や誤りなどにより,完全にネットワーク上に位置するとは限らない.そのため通常は,GPSデータをネットワーク上に同定する前処理を行ってから分析を行う.前科研では,この処理のためのアルゴリズムをシステムに実装し,半自動処理によってGPSデータをネットワーク上に同定している.それに対し今回は元のGPSデータを敢えて分析することで,同定の有無による分析結果の差異についても検討を行った. 次に,複数ポリゴン分布間の関係を分析した.ここでは多数の非連結集合同士の関係をどのように扱うかが課題である.連続平面上の点分布と同様に,空間操作によって集合の要素から空間構造を生成するという方法が有り得るが,点の場合と異なり,ここでは生成の母体と生成物がいずれも領域である.2種類の領域を区別して分析するには,適切な区別の方法を考える必要があり,それを実現する手法を開発した. 軌跡分布も複数ポリゴン分布の場合も,手法の改良のために,適用と手法の修正という手順を何度か繰り返している.即ち,適用の結果,十分な結果が得られなければ,手法を改良して再適用を行い,良い結果が得られるまで修正を繰り返す.このプロセスにより,最終的には汎用性の高い手法を得ることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
手法の開発は比較的短期間で完了したが,データの下準備にやや手間取り,結果的には全体がほぼ予定通りに進行した.来年度,特に懸念すべき課題などは残っていない.
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今後の研究の推進方策 |
申請時の計画通りに研究が進行しており,来年度も特に計画に変更はない.
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度,購入を予定していた空間データのうち,一部は次年度になってから発表される見込みとなっため. 繰り越し分については,本年度購入していない空間データの購入に充てる.
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