研究課題
本年度はまず,複数ポリゴン分布間の関係を分析する手法の再検討を行った.以前の研究により,その一般的な場合への拡張可能性は確認できているが,実証分析が未だ十分ではないと判断した.再検討の結果,ポリゴンが非常に多数存在する場合,計算量が膨大になるために実用時間内での分析が困難になるという問題が生ずることが明らかになった.そこでここでは,ラスター近似によって計算量を抑制する方法を採用した.但しこの方法では,分析結果の精度が必ずしも保証されない.そのためいくつかの実証分析を行い,実証的に精度が許容範囲に収まることを確認した.次に,再度,手法の時空間オブジェクト分布への拡張を検討した.既にネットワーク上の軌跡については取り上げているので,時間とともに変化するポリゴン分布について,手法の適用と実証分析を行った.ポリゴンの時間的変化については,離散的変化を対象とする手法は既に開発済みであったので,そちらを連続的変化に拡張するという方針で臨んだ.連続的変化を多数の離散的変化の合成によって近似し,個々の変化を平滑に接続する方法を検討した結果,ここでもラスター近似が有力な方法であると判断し,適用を行った.精度については実用的な程度に達していると判断している.得られた研究成果については,主として秋の学会大会での口頭発表と,英文雑誌への投稿を通じた還元を行った.当初は実社会への直接的貢献も検討したが,研究内容が未だその段階には達していないことから,今回は隣接する他分野への研究理論提供を主軸においた.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件)
International Journal of Civil, Environmental, Structural, Construction and Architectural Engineering
巻: 9 ページ: CD-ROM
Environment and Planning B
巻: 42 ページ: 930-950
Journal of Geographical Systems
巻: 17 ページ: 29-60