研究課題
本研究は、安全・安心な生鮮水産物のフードシステムの構築を目標として、申請者が開発した2つの基盤技術を統合し、生鮮流通の現場へと試験的に導入するとともに、基盤技術の社会的技術としての受容性を関係者とともに参加型アクションリサーチを行うことで評価することを目的としています。2つの基盤技術は①バイオレメディエーションによる水質浄化技術 ②バイオサーモメーター(BTM)による水産物の品質管理技術です。①については、微細藻類を用いて耐塩性微生物を用いたバイオレメディエーション後に毒性がどのように変化しているかについて検討しました。具体的には標準試験種として藻類増殖阻害試験に使用されている淡水産単細胞緑藻類であるPseudokirchneriella subcapitataを用いた染料の毒性試験を行いました。染料は前年度までの検討で最も高い脱色率が結果が得られているReactive Black 5(以下RB5)を用いました。RB5濃度は7~700 ppmで調整し、24、48、72時間後に細胞数を計測し、生長速度、生長阻害率及びEC50を算出しました。また、耐塩性微生物が生育する複数の環境を人工的に作製し、藻類への影響を検討したところ、P. subcapitataは非常に感受性が強く、複数の物質が混合された試料を添加すると正しく試験が行えないことがわかりました。今後は藻類の生長に影響を及ぼさない人工海水を用いた検討を行うとともに、より感受性の低い生物を用いた毒性評価も必要なことが示唆されました。②研究計画に掲げたエビ類を対象として検討した結果、BTMによるクルマエビの鮮度の可視化が可能であることを明らかにしました。本研究で対象とした2つの開発技術が社会技術として受容されるための問題点について、関係するステイクホルダーのそれぞれの立場から考察しました。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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