津波は樹林帯の切れ目や河川などの弱点に集中し,樹木や家屋などの浮遊物を巻き込みながら遡上する。本研究では,1)津波で発生する家屋・樹木等浮遊物の発生・輸送と衝突による衝撃力,2)浮遊物を捕捉する樹林帯効果,3)有限盛土・樹林帯周辺や樹林帯開口部を遡上する津波による氾濫,を高精度に評価する津波解析モデルを構築した。実験とモデル解析により、(1)津波の河川遡上による堤内地への氾濫現象、(2)樹林帯の浮遊物捕捉効果、(3)海岸林の津波減勢機能と浮遊物による衝撃力増加の比較、(4)海岸林と堤防の組み合わせによる津波減災効果、(5)樹形による破断・転倒現象の相違を考慮した樹木管理、に関する知見を得た。
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