海溝型巨大地震発生約9分以降に生じる津波電離圏ホールの測位衛星全電子数(測位衛星受信点から衛星までの視線方向に対する電離圏全電子数)測定で、早期津波予測の基幹技術の開発を目指した。津波電離圏ホールとは広域かつ1時間程度発生する電離圏プラズマ密度の減少である。本研究では、文献で報告されている初期津波高と全電子数減少率の関係を日本における津波を伴う複数の大地震で求めた。その結果、単調増加な相関が得られたため、全電子数観測で初期津波高を算出できる見込みが立った。故に本研究により15分前後のタイムラグで実用的な早期津波予測ができるとみられる。
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