我が国においても生殖補助医療における体外受精の件数は年々増加しており、またその約半数で顕微授精(ICSI)が適用されている。 本研究はヒトの初期発生胚に及ぼすICSIの影響を明らかにし、その技術の向上・改善を目指すものである。まずT7 RNA polymeraseを用いて単一胚からRNA-seqを行う実験系を確立した。これを用いて、生殖補助医療において移植に用いられず廃棄される胚の提供を受け、胚盤胞期のヒト胚においてICSIによって発現の影響を受ける遺伝子を複数同定することに成功した。これらの遺伝子は、ICSI技術の改善のための有用なマーカーとなることが期待される。
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