研究課題
本研究計画では,遺伝学的,生化学的,および構造生物学的アプローチを駆使して,マウス由来の新規低分子RNAの解析を進めている.平成26年度における研究成果は次の通りである.1) 低分子RNA候補の二次構造解析とクラスタリング:マウスの脳に由来するRNAの解析の結果,16種類の新規RNA候補を見出した.これらをMsncR(mouse structured non-coding RNAに由来)と呼ぶこととした.この成果をまとめ,論文として発表した(雑誌論文1).2) 低分子RNA候補の立体構造スクリーニング:新規スクリーニング手法としてINTT法(in NMR tube transcriptionに由来)を開発し,論文として発表した(雑誌論文2).3) ノーザン解析:16種類の新規RNA候補の発現を確認するため,得られたcDNA配列をもとにプローブを作製し,ノーザンハイブリダイゼーションを行った。このうち,明確なシグナルが得られたものは1種類であったが,その大きさに関してはcDNA配列と矛盾する点があった。継続して解析を行っている。4) 低分子RNA候補の立体構造解析:MsncR-11に着目し,立体構造解析を進めた.MsncR-11は,ミトコンドリアtRNA遺伝子の裏鎖に相当するRNAであり,ミトコンドリアmRNAのプロセシングに関与している可能性がある.NMR法による解析を行ったところ,MsncR-11は,tRNAのアクセプタステムとTステムに相当する二次構造を形成していることが示唆され,現在論文作成中である.
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Genomics
巻: 未定 ページ: 未定
Nucleosides, Nucleotides, and Nucleic Acids
巻: 34 ページ: 103-113
10.1080/15257770.2014.964412
http://www.le.it-chiba.ac.jp/kawai/mouserna2/index.html