研究課題/領域番号 |
24310152
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
坂口 和靖 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (00315053)
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研究分担者 |
今川 敏明 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20142177)
中馬 吉郎 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (40372263)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ペプチド / 生物活性 / 多量体化 / 配向化 / ナノマテリアル / バイオミネラリゼーション |
研究概要 |
生命分子の多量体化と配向化は、機能制御および機能拡張の手段として、生物が獲得した極めて有効なストラテジーである。本研究では、多量体化と配向化を基盤とした生物イベントの反応コントロールと制御機能の解明を目指す。本研究においては、生物イベントとしてバイオミネラリゼーションを対象として、p53四量体形成ドメインをトポロジー分子素子として用い研究を実施する。 本年度は、まずBMPep-p53Tetを用いたバイオミネラリゼーション反応により形成させたPd-Nanocoral構造体の触媒活性について解析した。その結果、Pd-Nanocoralがニトロフェノール誘導体の還元に置いて非常に高い触媒活性を有していることが示された。 さらに、Agに対しては、バイオミネラリゼーション反応の速度論的および量論的解析を実施した。その結果、粒子形成の遅延およびBMPep-p53Tetの触媒的作用が示唆された。また、多量体化および配向依存性を、トポロジー素子として二量体から四量体を形成するCoiled-coilペプチドを用いてした。多量体化BMPepによる無機ナノ構造制御は、その多量体数のみならずその配向に強く影響を受けることが明らかとなった。 本研究によって、p53四量体形成を介したバイオミネラリゼーション反応の特徴と生物イベントにおける多量体化および配向化の総合的な理解が達成されれば、生命原理を用いた次世代ナノマテリアル創製への展開が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
バイオミネラリゼーション反応の速度論的、量論的解析およびメカニズム解析など、当初計画に従った進展をしており、その成果について多くの国際国内学会において、招待講演を含め発表を実施している。また、本研究についての論文を権威ある国際雑誌において発表している。
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今後の研究の推進方策 |
多量体化と配向化を基盤とした生物イベントの反応コントロールと制御機能の解明を目指し、各種バイオミネラリゼーションペプチドについて順次解析を実施する。多量体化と配向化によるバイオミネラリゼーション活性の増強および構造制御におけるトポロジー素子の各種特性の効果を解明するため、安定性、多量体化価数、配向の特性から詳細に解析する。また、バイメタル粒子の形成について解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究の進行が順調であり、経費節減により次年度使用額が生じた。 経費節減の結果生じた使用残について、より一層の研究推進ため物品費および旅費等に有効に使用する。
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