研究課題
破骨細胞への分化阻害剤としてPirin阻害剤のTPh Aを同定したために、分化過程におけるPirinの役割を解析した。しかしながら、Pirinに対するsiRNA処理でも分化が阻害されなかったこと、siRNA処理下でもTPh Aによる効果があったこと、Pirinと結合しないTPh A誘導体でも破骨細胞への分化阻害効果があったことなどから、TPh Aによる分化阻害はPirinと独立していると結論付けた。一方で、TPh A誘導体の中では、TPh Aよりも分化阻害活性が高いものが複数含まれていたために、それら誘導体の分化抑制機構の解析を行った。薬剤とRANKL処理後に種々の分化必須遺伝子の発現を確認したところ、cathepsin KやTRAPの発現が誘導体処理により抑制されていた。さらに、転写活性に与える影響を検討した結果、AP-1やNF-kappaBの転写活性も抑制されていた。しかし、ERKsなどのMAPKsのリン酸化には影響を与えていなかった。並行して、様々な抗がん剤でも破骨細胞への分化が抑制されるか否かを確認した。その結果、様々な抗がん剤は濃度依存的に分化を抑制したが、これは細胞毒性を発揮する濃度と一致していた。これらのことから、TPh A誘導体による分化抑制効果は特異性をもった現象であることが示された。引き続き、これら誘導体の標的タンパク質を、化合物ビーズを使用したり標的既知化合物との比較を行ったりすることで、同定する。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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