日本に生息するヤシガニとオカヤドカリ類5種の各生活史段階(卵、幼生、稚ガニ)の環境適応(塩分、温度)を実験的に検討し、野外における分布を調査した。ムラサキオカヤドカリは低温耐性が最も強く、房総半島と三浦半島で越冬している集団を発見した。また、コムラサキオカヤドカリはマングローブ域等の河口域に特異的に上陸し、分布することが分かった。さらに、日本固有種のムラサキオカヤドカリの集団遺伝学的研究を実施したところ、小笠原諸島集団は琉球列島や本土に分布する集団とは遺伝的に異なる進化的に重要な保全単位であることが明らかとなった。
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