研究課題/領域番号 |
24310179
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
青山 弘之 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 教授 (60450516)
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研究分担者 |
末近 浩太 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (70434701)
錦田 愛子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (70451979)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 政治学 / 地域研究 / アラブ |
研究概要 |
本研究は、「アラブの春」と呼はれるアラブ世界での政治変動のもとで台頭・再活性化した政治主体に着目し、これらの主体の営為が国内外の政治にどのような影響を与えているかを動態的に解明することを目的とする。具体的には、東アラブ地域を対象地域に選び、公的な機関(立法府、行政府など)や主権国家の法制度や領域を超越して活動する同地域の「非公的」な政治主体の実態を把握したうえで、それらが、体制転換、政治改革、さらには紛争の継続・激化などにどうにかかわっているのかを明らかにすることをめざしている。 初年度にあたる今年度は上記の目的を達成するための第一歩として、シリア、レバノン、パレスチナ(イスラエル)の三カ国の政情に「アラブの春」が与えた影響を把握するため、資料・情報を網羅的に収集・整理することに重点を置き、主に以下の活動を行った。 1研究会合:2012年4、5、6、7、10、11、12月、2013年1月に、東京外国語大学および立命館アジア太平洋大学(12月)に8回の研究会合を持ち、研究代表者、研究分担者、研究協力者の研究進捗状況報告、収集資料・データの解析結果検証などを行った。 2現地調査:2012年8月、2013年3月に研究分担者と研究協力者がレバノン、パレスチナ(イスラエル)を訪問し、現地の研究者・有識者との意見交換および関連資料・データ収集を行い、上記活動の成果は、「13.研究発表」に列記した論文などとして公刊し、また収集したデータの一部はウェブサイト「http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/aljabal/biladalsham.htm」 「http://www.ac.auone-net.jp/~alsham/」で公開した。.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究が対象とする東アラブ地域の中心をなすシリアに対する西欧諸国およびアラブ湾岸諸国、トルコの内政干渉により、地域全体の混乱が続き、現地での調査、現地で研究機関、研究者との交流が阻害されているため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度に収集した情報を踏まえ、「アラブの春」のなかで台頭・再活性化した非公的主体の実態解明を試みる。そのうえでこれらの政治主体が、アラブ・イスラエル紛争に代表される東アラブ地域の紛争、「弱い国家」における混乱、「強い国家」における権威主義支配など、同地域における一連の問題においていかなる役割を果たしているを分析する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記の方針に沿って、レバノン、パレスチナなどでの現地調査、情報収集、現地研究機関との情報交換などを行うほか、研究分担者、研究協力者の研究進捗状況を報告、意見交換を行うための研究会合を開催する。また東アラブ地域諸国の政治主体などに関するアラビア語、英語、日本語の資料書籍などの収集を行う。
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