本研究は、社会主義を経た旧ソ連中央アジアを対象に、イスラーム・ジェンダー・家族の観点から、近代化をアクチュアルな問題群として捉え直す視座の構築を目的に、ウズベキスタンとの国際共同研究として展開された。19~20世紀の民族誌と現代のフィールドワークとの摺合せ、「近代」表象資料の収集と分析等を行い、最終年度に国際ワークショップ Islam and Gender in Central Asiaを実施、成果として英文論文集を刊行した。イデオロギー先行の社会主義的近代化において、公には切り捨てられた「悪しき伝統」の存続の動態や、構築された「よき近代」の今日の権威主義体制への継承等を明らかにした。
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