研究課題/領域番号 |
24310190
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
山岸 智子 明治大学, 政治経済学部, 教授 (50272480)
|
研究分担者 |
吉村 慎太郎 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (40220735)
黒田 卓 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (70195593)
松永 泰行 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 准教授 (20328678)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | イラン / ネットワーク / 社会運動 / ムスリム / イメージ構築 / 近代 / 中東 / SNS |
研究概要 |
《具体内容》 1.「アラブの春」との比較:市民的運動の展開とソーシャル・ネットワーク・サーヴィスSNSの効用について議論されているエジプトの「1,25革命」の例に関して、他の科研費プロジェクトと協力して専門家と話し合う機会を2回設け、学際的アプローチの必要性、イスラーム諸組織との関連についてなど多角的に考察する必要性が高いとの考えを再確認した。 2.フィールドワーク:研究協力者のアレズ・ファクレジャハニがアゼルバイジャンとトルコで、研究協力者の鈴木優子と連携研究者の細谷幸子がイランで、現地調査を行った。アレズ・ファクレジャハニは調査結果の一端として、同じトルコ系としても国境が大きく立ちはだかつて意識が異なることを研究会で発表した。鈴木優子は、イラン北部における物流の様相と、いわゆる遊牧民地域とされるクーフギールーイェのインフラの変化、ことにインターネットや携帯電話の使用が大きくインパクトを与えていることを観察し、現地調査が可能であり、さらに詳しく観察することが必要であるとの認識を得た 3.歴史的理解:黒田卓はペルシア語旅行記の読解をすすめて、インドとイギリスを結ぶネットワーク上にあるイラン系知識人の《近代》や《帝国》に対する意識を詳細に分析した。 《意義》 研究プロジェクトの第1年目として、問題意識を再確認する作業を進めることができた。また、次年度の課題につながるポイントも明らかにすることができた。 《重要性》 欧米の研究者には難しいフィールドワークを実施できたこと、イラン人の「国土」をこえたネットワーキングを研究する意義が高く、本プロジェクトは国際的な学術貢献ができるとの確信をもった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イランの国境地帯や地方でのフィールドワークが可能であることを確認できたことは本研究の進展にとって大きな意味を持っている。しかしそれとひきかえに、国外からの研究者を招聘する資金が足りなくなった。また、研究分担者・連携研究者・研究協力者が一堂に会して議論する機会がなかなか設けられなかったために、研究メンバー間の問題意識や知識の共通化をあまりはかることができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
1.イランで2013年6月に行われるとされる大統領選挙を焦点として、フィールドワーク、情報収集、ワークショップなどを行う 2.引き続き、史資料の収集と分析をすすめる
|
次年度の研究費の使用計画 |
1.前年度・本年度の成果をまとめ、カナダで夏に開催されるInternational Society for Iranian Studies第10回記念大会にパネルを組織して参加し、研究発表を行う。 2.持ち越しの課題を引き続き研究する。
|