研究課題/領域番号 |
24310190
|
研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
山岸 智子 明治大学, 政治経済学部, 教授 (50272480)
|
研究分担者 |
吉村 慎太郎 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (40220735)
黒田 卓 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (70195593)
松永 泰行 東京外国語大学, その他部局等, 教授 (20328678)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 国際研究者交流 / イラン / 市民運動 / イスラーム / インターネット / 近代史 / NGO / 国際関係 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、近年の情報技術や移動手段の発達などによってイラン内外のイラン人によるネットワークの営為がどれほど変化したのか、あるいはどのような形態を維持・発展させているのか、そしてそれが社会=政治的にどのように影響を与えているのかを考察することである。 研究開始当初の目論見では、2014年度はそれまでのフィールドワークの成果を見直す作業に専念する年と位置付けていたが、フィールドワークで得た知見をいったん、国際的な場で発表して、さらに洗練された議論に高めるのが適当だと思われたのと、イラン研究学会国際大会が隔年であることもあり、当初の計画では2015年度に予定していた国際学会での発表を1年前倒しにすることとした。2014年8月にモントリオール(カナダ)で開催されたイラン研究学会第10回大会にエントリーし、スクリーニングを経て、参加が認められ、"Iranian networking in Transition"というパネルを組織した。本研究と問題意識を共有する韓国のKOO氏も、新たに研究協力者として迎え、パネルに参加してもらった。 大会では、パネルの時間帯が大勢の聴衆を集めるのにはとても不利だったために、聴衆の人数は限られたものとなってしまったが、参加者には本研究のオリジナリティを強く印象付けることができ、発表の内容について不鮮明だったポイントなどについて貴重な議論の機会を得た。 また、ほかの研究グループと協力しあって共同研究会・シンポジウムを組織することにより、民主化と若者の意識の関連や、女性のネットワークについて、議論をする機会を得ることができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究協力者によるフィールドワークの実施、その成果を国際的な場で発表する、という点からは、予定以上の研究成果を得ている。 他方、研究分担者が、研究計画をたてた当初には予想できなかったレベルで所属している機関での学務の負担が増えたために、一堂に会して互いの研究について議論できる機会が少なく、それぞれにメールなどで簡単に報告しあうだけになっているため、研究の統合が遅れており、当初の計画以上に進展している、とまでは評価できない。
|
今後の研究の推進方策 |
平成27年度は最終年度なので、これまでの研究の総まとめをする予定である。ネットワーク論に取り組んでいる気鋭のイラン研究者Babak Rahimi(カリフォルニア大学)と、イラン政治について優れた論考を発表して注目されているEskandar-Sadeghi氏(オックスフォード大学)を招いて、ワークショップを組織し、これまで得られた知見をさらに洗練されたものにすべく、議論をする。また、研究成果を公開するための準備も始める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
国際的な場で研究発表をするのは、当初の計画では最終年度の2015年としていたが、予想よりもフィールドワークがうまく進み、フィールドで得られた知見を発表して練り上げることが適当だと考えられたのと、イラン研究国際大会が隔年であるため、2014年にパネル参加することにした。2014年度予算には計上していなかった海外への渡航費や宿泊費などが必要となったので、次年度予算を前倒しして使用した。
|
次年度使用額の使用計画 |
東京~モントリオールの往復航空券、モントリオールでの宿泊費、ヨーロッパでの追加調査(フランス~スウェーデン往復航空券)の費用に使う。
|