研究課題/領域番号 |
24310190
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
山岸 智子 明治大学, 政治経済学部, 教授 (50272480)
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研究分担者 |
黒田 卓 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (70195593)
吉村 慎太郎 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (40220735)
松永 泰行 東京外国語大学, その他部局等, 教授 (20328678)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | イラン / ネットワーク / イスラーム / 近代 / 民主化 / インターネット / 市民社会 / 選挙 |
研究実績の概要 |
本研究は、イランにおけるネットワーキングのありかたを考察することを目的としており、2015年度は、カリフォルニア大学サンディエゴ校のバーバク・ラヒーミー准教授と、エクゼター大学のエスカンダル・サーデギー氏を招聘し、10月17日にワークショップNetworking and Social Movements in Modern Iranを明治大学駿河台キャンパスで開催した。イラン社会と国家の関係、そこにおいて働くネットワーキングに注目する理由を山岸が問題提起し、ラヒーミー氏からは近年のデジタルな技術の発展(携帯電話やインターネットのシステム導入)がどのように進展してきてネットワーキングにどのように作用しているか、サーデギー氏からは、イランの国家観を支えるイスラーム政治思想にどのような新しいトレンドが見られるかがハッジャーリヤーンの思想を軸として発表された。また、2014年からのイラク=シャーム・イスラーム国の勢力伸長、2015年7月のイランの核開発をめぐる合意により、イランをめぐる国際関係が大きく変化していることに着目しながら、吉村と松永は暴力と安全保障、民主化についてなどの考察を進め、国際的な発表の場で口頭発表することができた。研究協力者の鈴木は、北欧で聞き取り調査を行い、ヨーロッパに亡命したイラン系の人々の政治・民族的背景と新しい環境への適応のありさまの一部を明らかにすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究代表者が家族の介護と死去のために、最終年度として予定していた過去3年間の研究のとりまとめや国際発信のための作業に十分な時間をとって従事することができなかった。 また、研究分担者の黒田は研究科主任として学内の大きな制度改革のための学務に携わらなくてはならなくなり、また吉村は広島大学のSGUの中心メンバーとしての学務が増え、研究のために割ける時間が削られる状態となった。本研究準備期間には予測できなかったレベルで本務校の仕事の負担増があり、本務校の仕事よりも科研費研究を優先する、というわけにはゆかないために、遅延を余儀なくされている。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度にきちんと果たせなかった、これまでの研究のとりまとめが本年度の主要な課題である。昨年度に招聘が実現できなかった枠があるので、これまでの研究を補うためにも、海外からの研究者招聘を予定している。 研究成果としての論文の執筆、編集、公刊するための準備などに取り組むこととしている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者が、家族の介護と死去のために、研究の最終年度として予定していた外国人研究者の招聘事業の一部、ならびに研究成果の発表のための話し合いやとりまとめを行うことができなかった。そのために、次年度に一部の研究活動を繰り延べ、次年度使用額が生じることとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
海外からの研究者を招聘しての研究会を1回、研究のとりまとめと研究分担者・研究協力者への論文執筆依頼、寄せられた論文を論集として公刊するための編集作業、などを随時進めてゆく。
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