研究課題/領域番号 |
24320001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
座小田 豊 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20125579)
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研究分担者 |
直江 清隆 東北大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (30312169)
荻原 理 東北大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (00344630)
原 塑 東北大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (70463891)
戸島 貴代志 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (90270256)
村山 達也 東北大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (50596161)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 自然観 / 人間観 / 運命 |
研究概要 |
本研究は、(A)主に西洋における人間観や自然観の変遷を、人間と自然との混交と緊張という側面に注目しつつ、なかでもとりわけ「運命」という概念に焦点を当てながら辿り、その成果を(B)科学技術論や生命・環境倫理における知見、さらには(C)農村・都市の実証研究と照らしあわせながら、自然と人間とのかかわりを考えるための新しいモデルを獲得することを目的としている。 本年度はプロジェクトの一年目にあたるため、(C)を担当するグループからの問題提起を軸にして、各グループの研究の方向を定め、翌年度以降の研究の基盤を作ることにとりわけ重点を置いた。そのため、六月三日に開催した第一回研究会では、各分担者が本科研の枠内で予定している研究を話しあい、今後の研究の方向をより明確に定めることに主眼を置いた。また、二月十六日に開催した第二回研究会では、臨床宗教師でもある東北大学実践宗教学講座の谷山洋三氏を招き、「弔いとグリーフケア被災地での宗教者の取り組み」と題した講演において宗教者による具体的な取り組みを紹介していただき、これに応答するかたちで研究分担者の小林睦が「哲学者・倫理学者は震災について何を語ることができるか?当事者性の問題をめぐって」と題した発表を行い、同じく研究分担者である篠澤和久を指定討論者として、討論・意見交換を行った。以上の研究会から見えてきた問題と目標を適切に遂行することが、次年度以降の課題となる。 また、この他にも、六月三日にはウルリッヒ・シュタインフォルスト氏を招いてデカルトやヴィトゲンシュタインにおける道徳哲学について講演していただき、西洋における人間観と道徳哲学との関係について討論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は一年目にあたり、(C)を担当するグループからの問題提起を軸にして、各グループの研究の方向を定め、翌年度以降の研究の基盤を作ることにとりわけ重点を置いた。「研究実績の概要」に記した二回の研究会を通じて、その目的は十分に達成された。また、最終年度における研究の総括の方法については、当初予定していた以上の進展が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に行った二つの研究会を通じて具体化された課題を土台に、各自ないしグループで研究を進めていくことが中心になる。農村・都市の実証研究を行うCグループから提起された問題に対して、思想史研究を行うAグループ、ならびに、科学技術論の観点から研究を行うBグループが応答していくことが、本年度の中心課題となる。
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次年度の研究費の使用計画 |
個別に行う研究においては前年通り書籍の購入が中心となる。また、本科研分担者以外の研究者を招いて講演会やシンポジウムを行い、外からの視点を導入して本研究を批判的に検討すると同時に、成果を社会に還元する。これについては、六月には、日本人を招いた講演会・ワークショップ、十一月には、海外から研究者を招いて公開の国際シンポジウムを行うことを予定している。なお、次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことにともなって発生した未使用額であり、平成25年度請求額とあわせて、平成25年度の研究遂行に使用する予定である。
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