• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

介護と在宅医療における倫理的・法的問題の検討 専門職の問題対応能力の向上のために

研究課題

研究課題/領域番号 24320005
研究種目

基盤研究(B)

研究機関静岡大学

研究代表者

松田 純  静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (30125679)

研究分担者 宮下 修一  静岡大学, 法務研究科, 教授 (80377712)
青田 安史  浜松大学, 保健医療学部, 准教授 (90551424)
堂園 俊彦  静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (90396705)
南山 浩二  静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (60293586)
神馬 幸一  静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (60515419)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード在宅医療 / 介護 / 倫理と法 / 専門職倫理 / 成年後見
研究概要

・「ケースブック 在宅医療と介護の倫理と法」作成を目標に研究会を8回開催し,具体的なケースの検討を重ねた。青田は在宅介護支援に携わる専門職(訪問看護師,介護支援専門員,介護福祉士,包括支援センター職員等)にインタビューし,現場で直面する倫理的な問題を聴取し,そこから新たにケースを創作した。現場の専門職を研究会に招聘し,執筆協力と指導助言を受けながら,検討を進めた。
・倫理と法を扱う前提となる基礎理論を含む『科学技術研究の倫理入門』(ドイツ語)を全訳し,刊行した。
・成年後見制度の法的検討に取り組み,成年後見人等の職務に実際に携わっている弁護士や司法書士,社会福祉士等にヒアリング調査を継続的に行い,法の理念と現実との乖離した現状を明らかにし,その理由や背景の分析に努めた。この成果の一部を宮下が「東北アジア成年後見制度国際セミナー」
で発表し,日本,中国,韓国,台湾の民事法関係の専門家と意見交換した。また,上記の調査の詳細な内容を『民事判例V 2012年前期』に発表した。
・理学療法士の養成機関及び職能団体における倫理と法の教育研修の実態調査(1)在宅リハビリテーションに従事する理学療法士へのインタビュー調査,(2)静岡県内の理学療法士400名に理学療法士養成機関の倫理と法の教育の必要性についてアンケート調査)を行い,現状と課題を明らかにした。それらの結果をもとに,第48回日本理学療法士協会全国学術研修大会(平成25年10月)で研究代表者と青田とでワークショップを開催し,理学療法分野における倫理と倫理教育の必要性について同協会員と意見交換を行う運びとなった。
・公開講座「在宅医療・介護のこれからを考える~充実したネットワーク作りを目指して~」公開講演会「在宅緩和ケアの実践とその展開」,「自立と共生-ドイツのグループホーム」を開催し,広く地域の対人援助職と問題意識を共有し,連携ネットワークを構築する機会とした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ケースブックの編集を着実に進めることができ,出版社とも交渉し,25年度刊行の目途を立てた。これらの検討をグローバルな視点から行うための諸外国の取り組みの調査が,訪問先との日程調整の困難や研究分担者などの新たな校務などによって実現できなかった。

今後の研究の推進方策

24年度にまとめたケースブック草稿を在宅医療・介護の専門職に校閲して頂き,現場に受け入れられる分かりやすいものに改善する。簡易印刷した試作版を静岡大学大学院や常葉大学健康科学部や静岡県立大学社会福祉学科などで授業に使用し,学生の学びの反応や評価をふまえ,より使いやすく分かりやすい教科書へと彫琢し,25年度に「ケースブック在宅医療と介護の倫理と法」を刊行する。
引き続き,ケースブック第2集の編集に取り組み,国内の専門職から新たな倫理的葛藤事例の収集を進める。第2集には,在宅医療や介護におけるロボットやサイバニクスの活用や医療・介護のグローバル化がもたらす多文化問題など,時代の一歩先を見据えた問題をも組み込み,斬新なものに編集する。

次年度の研究費の使用計画

24年度に予定していたドイツ等における現地調査を先方との日程調整の不首尾により実施できなかったが,本年度に実施する。

  • 研究成果

    (34件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (18件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] ラジ・クリスティアン・シュタイネツク(著)〔ドイツ人から見た〕日本における「インフォームド・コンセント」-文化比較を超えて(前掲再録)2013

    • 著者名/発表者名
      松田 純, 小椋宗一郎(訳)
    • 雑誌名

      死生学(東京大学)

      巻: 6 ページ: 52-89

  • [雑誌論文] シンポジウム : 医師の使命を考える2013

    • 著者名/発表者名
      三浦 靖彦, 堂囿 俊彦, 他18名
    • 雑誌名

      生存科学B

      巻: 23 ページ: 71-131

  • [雑誌論文] 在宅医療における医療倫理 -尊厳死法と事前指示2012

    • 著者名/発表者名
      松田 純
    • 雑誌名

      薬局 2012年8月号

      巻: 63(9) ページ: 29-35

  • [雑誌論文] ドイツにおける患者の事前指示の法制化と医師による自殺幇助をめぐる議論2012

    • 著者名/発表者名
      松田 純
    • 雑誌名

      生命倫理研究資料集(富山大学)

      巻: 6 ページ: 4-18

  • [雑誌論文] 生の自由を支える事前指示-ドイツにおける事前指示の法制化と医師による自殺幇助をめぐる議論のなかから2012

    • 著者名/発表者名
      松田 純
    • 雑誌名

      難病と在宅ケア 2012年5月号

      巻: 18(2) ページ: 17-21

  • [雑誌論文] 応用倫理学から具体倫理学へ-対人援助職との研究連携のなかから2012

    • 著者名/発表者名
      松田 純
    • 雑誌名

      文化と哲学(静岡大学哲学会)

      巻: 29 ページ: 15-23

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 薬剤師の"臨床倫理"科学知と人文知の統合を「医薬ジャーナル」編集長VISITING(349)2012

    • 著者名/発表者名
      松田 純
    • 雑誌名

      医薬ジャーナル2012年12月号

      巻: 48巻12号 ページ: 150-157

  • [雑誌論文] 医師による患者の自殺幇助と積極的臨死介助についてのドイツの医師へのアンケート調査~病院勤務医と開業医の各分野を反映した無作為抽出調査の結果~アレンスバッハ世論調査研究所2010年7月2012

    • 著者名/発表者名
      松田 純(訳)
    • 雑誌名

      生命倫理研究資料集(富山大学)

      巻: 6 ページ: 101-116

  • [雑誌論文] ドイツ第三次世話法改正 2009年6月18日制定.7月29日公布.9月1日施行2012

    • 著者名/発表者名
      松田 純(訳)
    • 雑誌名

      生命倫理研究資料集(富山大学)

      巻: 6 ページ: 117-119

  • [雑誌論文] ラジ・クリスティアン・シュタイネツク(著)日本における「インフォームド・コンセント」-文化比較を超えて2012

    • 著者名/発表者名
      松田 純, 小椋宗一郎(訳)
    • 雑誌名

      生命倫理研究資料集(富山大学)

      巻: 6 ページ: 49-77

  • [雑誌論文] 薬害HIV感染被害者の現在/将来の<生>の語り2012

    • 著者名/発表者名
      南山 浩二
    • 雑誌名

      患者・家族調査研究委員会編『「生きなおす」ということ-患者・家族調査研究委員会報告書-』ネットワーク医療と人権

      ページ: 151-165

  • [雑誌論文] あいまいな喪失 -存在と不在をめぐる不確実性-2012

    • 著者名/発表者名
      南山 浩二
    • 雑誌名

      精神療法, 金剛出版

      巻: 38(4) ページ: 455-459

  • [雑誌論文] イギリス「臨死介助に関する委員会」最終報告書の要約2012

    • 著者名/発表者名
      神馬 幸一
    • 雑誌名

      静岡大学法政研究

      巻: 17(1) ページ: 312-342

  • [雑誌論文] 現場にみる成年後見制度の問題点-ヒアリング調査から2012

    • 著者名/発表者名
      宮下 修一
    • 雑誌名

      現代民事判例研究会編『民事判例V 2012年前期』(日本評論社)

      ページ: 112-123

  • [学会発表] 医療倫理の基礎(歴史と理論), 研究倫理と倫理委員会2013

    • 著者名/発表者名
      堂囿 俊彦
    • 学会等名
      NPO法人ヒューマン・ケア支援機構「医療の倫理とコミュニケーション・入門コース」
    • 発表場所
      静岡県コンベンションアーツセンター・グランシップ(静岡県)
    • 年月日
      20130323-20130324
  • [学会発表] 終末期医療と倫理, 研究倫理と倫理委員会2013

    • 著者名/発表者名
      松田 純
    • 学会等名
      NPO法人ヒューマン・ケア支援機構「医療の倫理とコミュニケーション・入門コース」
    • 発表場所
      静岡県コンベンションアーツセンター・グランシップ(静岡県)
    • 年月日
      2013-03-24
  • [学会発表] 医療と法2013

    • 著者名/発表者名
      神馬 幸一
    • 学会等名
      NPO法人ヒューマン・ケア支援機構「医療の倫理とコミュニケーション・入門コース」
    • 発表場所
      静岡県コンベンションアーツセンター・グランシップ(静岡県)(招待講演)
    • 年月日
      2013-03-23
  • [学会発表] 遺伝医療の新時代~パーソナルゲノムとどうむきあうか~2013

    • 著者名/発表者名
      松田 純
    • 学会等名
      NPO法人ヒューマン・ケア支援機構連続講演会
    • 発表場所
      静岡市産学交流センター(静岡県)
    • 年月日
      2013-03-09
  • [学会発表] ドイツにおける患者の事前医療指示の法制化とその後の展開2012

    • 著者名/発表者名
      松田 純
    • 学会等名
      京都生命倫理研究会合同研究会
    • 発表場所
      京都大学(京都府)
    • 年月日
      2012-12-22
  • [学会発表] スイスにおけるPASの問題に関して2012

    • 著者名/発表者名
      神馬 幸一
    • 学会等名
      京都生命倫理研究会合同研究会
    • 発表場所
      京都大学(京都府)(招待講演)
    • 年月日
      2012-12-22
  • [学会発表] 在宅医療・看護における生命と倫理2012

    • 著者名/発表者名
      松田 純
    • 学会等名
      平成24年度 特別講義・最新看護の動向(在宅)について特別講義
    • 発表場所
      静岡県立大学 看護学部(静岡県)(招待講演)
    • 年月日
      2012-12-21
  • [学会発表] 事前指示をめぐる苦悩~ドイツにおける法制化後の状況と日本の尊厳死法案~2012

    • 著者名/発表者名
      松田 純
    • 学会等名
      厚生労働省「希少性難治性疾患患者に関する医療の向上及び患者支援のあり方に関する研究」研究班会議
    • 発表場所
      JA共済ビルカンファレンスホール(東京都)
    • 年月日
      2012-12-14
  • [学会発表] 実務セッション 在宅医療・介護をどう支えるか2012

    • 著者名/発表者名
      松田 純(オーガナイザー)
    • 学会等名
      第17回 静岡健康・長寿学術フォーラム
    • 発表場所
      静岡県コンベンションアーツセンター・グランシップ(静岡県)
    • 年月日
      2012-11-17
  • [学会発表] 特別講演 薬剤師に求められる倫理とは -薬剤師の人柄と倫理原則2012

    • 著者名/発表者名
      松田 純
    • 学会等名
      第45回日本薬剤師会学術大会
    • 発表場所
      アクトシティ浜松 中ホール(静岡県)(招待講演)
    • 年月日
      2012-10-07
  • [学会発表] パーソナルゲノム時代の医療と倫理2012

    • 著者名/発表者名
      松田 純
    • 学会等名
      平成24年度 連携講義「生命科学」(静岡県内4高等教育機関による講義) 第1回
    • 発表場所
      静岡県立大学 一般教育棟(静岡県)
    • 年月日
      2012-10-04
  • [学会発表] 身体拘束と高齢者の人権擁護2012

    • 著者名/発表者名
      松田 純
    • 学会等名
      静岡県看護協会平成24年度高齢者権利擁護等推進研修「身体拘束廃止推進員養成研修」
    • 発表場所
      静岡県看護協会研修室(静岡県)(招待講演)
    • 年月日
      2012-09-10
  • [学会発表] 睡眠衛生と健康2012

    • 著者名/発表者名
      青田 安史
    • 学会等名
      NPO法人ヒューマン・ケア支援機構連続講演会
    • 発表場所
      静岡市産学交流センター(静岡県)(招待講演)
    • 年月日
      2012-09-01
  • [学会発表] 保健医療福祉の基礎理解「リハビリテーション」2012

    • 著者名/発表者名
      青田 安史
    • 学会等名
      平成24年度静岡県介護支援専門員実務従事者基礎研修静岡県健康福祉部福祉長寿局介護保険課主催
    • 発表場所
      静岡県コンベンションアーツセンター・グランシップ(静岡県)(招待講演)
    • 年月日
      2012-08-20
  • [学会発表] 在宅医療・介護をどう支えるか~倫理と法の観点から~2012

    • 著者名/発表者名
      松田 純
    • 学会等名
      公開講座「在宅医療・介護のこれからを考える~充実したネットワーク作りを目指して~」静岡大学人文社会科学研究科臨床人間科学専攻・静岡市生涯学習推進課・NPO法人ヒューマン・ケア支援機構共催, 静岡県教育委員会後援
    • 発表場所
      アイセル21(静岡市葵生涯学習センター)(静岡県)
    • 年月日
      2012-07-03
  • [学会発表] 在宅におけるリハビリテーションの諸問題~在宅生活を支援するリハビリテーションを考える~2012

    • 著者名/発表者名
      青田 安史
    • 学会等名
      公開講座「在宅医療・介護のこれからを考える~充実したネットワーク作りを目指して~」静岡大学人文社会科学研究科臨床人間科学専攻・静岡市生涯学習推進課・NPO法人ヒューマン・ケア支援機構共催, 静岡県教育委員会後援
    • 発表場所
      アイセル21(静岡市葵生涯学習センター)(静岡県)(招待講演)
    • 年月日
      2012-06-12
  • [学会発表] 延命治療は中止できるのか2012

    • 著者名/発表者名
      堂囿 俊彦
    • 学会等名
      第21回日本臨床環境医学会総会
    • 発表場所
      南魚沼市民会館(新潟県)(招待講演)
    • 年月日
      2012-05-31
  • [学会発表] 現場にみる成年後見制度の問題点-ヒアリング調査から2012

    • 著者名/発表者名
      宮下 修一
    • 学会等名
      東北アジア成年後見制度国際セミナー(東北亜成年監護制度国際研討会)
    • 発表場所
      西苑賓館(浙江省社会主義学院新校区内)
    • 年月日
      2012-04-29
  • [図書] ミヒャエル・フックス 科学技術研究の倫理入門2013

    • 著者名/発表者名
      監訳 : 松田 純, 共訳 : 堂囿俊彦, 神馬 幸一, ほか4名
    • 総ページ数
      442
    • 出版者
      知泉書館
  • [図書] 「生命科学・人体の利用と刑法」『現代社会と刑法を考える』2012

    • 著者名/発表者名
      甲斐 克則(編) 神馬 幸一, 他4名
    • 総ページ数
      241(56-68)
    • 出版者
      法律文化社

URL: 

公開日: 2014-07-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi