研究分担者 |
宮下 修一 静岡大学, 法務研究科, 教授 (80377712)
青田 安史 浜松大学, 保健医療学部, 准教授 (90551424)
堂園 俊彦 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (90396705)
南山 浩二 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (60293586)
神馬 幸一 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (60515419)
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研究概要 |
・「ケースブック 在宅医療と介護の倫理と法」作成を目標に研究会を8回開催し,具体的なケースの検討を重ねた。青田は在宅介護支援に携わる専門職(訪問看護師,介護支援専門員,介護福祉士,包括支援センター職員等)にインタビューし,現場で直面する倫理的な問題を聴取し,そこから新たにケースを創作した。現場の専門職を研究会に招聘し,執筆協力と指導助言を受けながら,検討を進めた。 ・倫理と法を扱う前提となる基礎理論を含む『科学技術研究の倫理入門』(ドイツ語)を全訳し,刊行した。 ・成年後見制度の法的検討に取り組み,成年後見人等の職務に実際に携わっている弁護士や司法書士,社会福祉士等にヒアリング調査を継続的に行い,法の理念と現実との乖離した現状を明らかにし,その理由や背景の分析に努めた。この成果の一部を宮下が「東北アジア成年後見制度国際セミナー」 で発表し,日本,中国,韓国,台湾の民事法関係の専門家と意見交換した。また,上記の調査の詳細な内容を『民事判例V 2012年前期』に発表した。 ・理学療法士の養成機関及び職能団体における倫理と法の教育研修の実態調査(1)在宅リハビリテーションに従事する理学療法士へのインタビュー調査,(2)静岡県内の理学療法士400名に理学療法士養成機関の倫理と法の教育の必要性についてアンケート調査)を行い,現状と課題を明らかにした。それらの結果をもとに,第48回日本理学療法士協会全国学術研修大会(平成25年10月)で研究代表者と青田とでワークショップを開催し,理学療法分野における倫理と倫理教育の必要性について同協会員と意見交換を行う運びとなった。 ・公開講座「在宅医療・介護のこれからを考える~充実したネットワーク作りを目指して~」公開講演会「在宅緩和ケアの実践とその展開」,「自立と共生-ドイツのグループホーム」を開催し,広く地域の対人援助職と問題意識を共有し,連携ネットワークを構築する機会とした。
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今後の研究の推進方策 |
24年度にまとめたケースブック草稿を在宅医療・介護の専門職に校閲して頂き,現場に受け入れられる分かりやすいものに改善する。簡易印刷した試作版を静岡大学大学院や常葉大学健康科学部や静岡県立大学社会福祉学科などで授業に使用し,学生の学びの反応や評価をふまえ,より使いやすく分かりやすい教科書へと彫琢し,25年度に「ケースブック在宅医療と介護の倫理と法」を刊行する。 引き続き,ケースブック第2集の編集に取り組み,国内の専門職から新たな倫理的葛藤事例の収集を進める。第2集には,在宅医療や介護におけるロボットやサイバニクスの活用や医療・介護のグローバル化がもたらす多文化問題など,時代の一歩先を見据えた問題をも組み込み,斬新なものに編集する。
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