研究課題/領域番号 |
24320005
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
松田 純 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (30125679)
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研究分担者 |
堂囿 俊彦 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (90396705)
南山 浩二 成城大学, 社会イノベーション学部, 教授 (60293586)
宮下 修一 静岡大学, 法務研究科, 教授 (80377712)
神馬 幸一 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (60515419)
青田 安史 常葉大学, 健康科学部, 准教授 (90551424)
天野 ゆかり 静岡県立大学短期大学部, 社会福祉学科, 助教 (60469484)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 在宅医療 / 介護 / 倫理と法 / 専門職倫理 / 成年後見 |
研究概要 |
在宅医療と介護の現場の調査から得られたケースをもとに、18のケースを収めた『こんなときどうする? 在宅医療と介護 ケースで学ぶ倫理と法』を南山堂から刊行できた。この作成過程で、多様な専門職にも参加して頂き、計7回の研究会で検討を重ねた。さらに、試行版を静岡大学大学院の講義で活用し、教材としての使い易さや有用性を検証した。本書を関係機関等に配布したので、今後は現場の専門職や養成機関の教員・学生などの意見を聴取し、改善点を明確にした上で、認知症の事例に焦点をあてた姉妹編(第2集)の刊行をめざす。 在宅医療と介護に関する調査・研究活動を国内外において実施した。ドイツの介護施設や訪問看護ステーションを訪問し、介護・医療の実態を調査し、介護制度や事前医療指示などについて情報を得た。イタリアの在宅訪問サービスの実態と倫理的諸課題に焦点をあて、地域精神保健福祉の実情について、4都市の関連機関・施設で、専門職にインタビュー調査を実施した。 第25回日本生命倫理学会年次大会で「サイバニクスを医療・介護に活かす―ロボットスーツHAL治験と人支援技術の未来展望」というシンポジウムを主催し、研究成果を発表した。第48回日本理学療法士協会全国学術研修大会の教育セミナーなど、各種学会でも研究成果を発表した。 ベトナム国立ナムディン看護大学設立10周年記念シンポジウム「ベトナムにおける高齢者ヘルスケアにおける養成の改革と実践の改善」に参加し、日本の高齢者ケアの実践についての事例発表を行った。中華民国と大韓民国で開催された成年後見制度に関する国際シンポジウムで、日本の成年後見制度の現状について、調査に基づいて研究成果を発表した。 研究協力者を講師に、2回の公開講演会(リハビリテーション医療の理念・実践と現在の課題、頼れる専門職の条件-専門職と徳倫理)を開催し、研究成果を広く公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
『こんなときどうする? 在宅医療と介護 ケースで学ぶ倫理と法』(南山堂)を年度内刊行を達成し、関係諸機関に送付できた。
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今後の研究の推進方策 |
在宅医療と介護に関する倫理的・法的問題はまだ多数あるため、引き続き,現場から倫理的葛藤事例を収集し、とりわけ認知症患者をめぐる問題に焦点をあて、ケースブックの編集に取り組む。在宅医療や介護におけるロボットやサイバニクスの活用や医療・介護のグローバル化がもたらす多文化問題など,時代の一歩先を見据えた問題にも取り組む。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定した海外調査のうち、先方との日程調整がつかず実現できなかったものがあるため、旅費の予算で残額が発生した。 26年度の課題に必要な調査を精査し、残額も含めて有効な使用に心がける。
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