研究課題/領域番号 |
24320013
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
石井 公成 駒澤大学, 仏教学部, 教授 (10176133)
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研究分担者 |
森 博達 京都産業大学, 外国語学部, 教授 (90131292)
金 文京 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (60127074)
瀬間 正之 上智大学, 文学部, 教授 (00187866)
奥野 光賢 駒澤大学, 仏教学部, 教授 (40279667)
師 茂樹 花園大学, 文学部, 准教授 (70351294)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 変格漢文 / 和習 / 『日本書紀』 / 三経義疏 |
研究概要 |
平成25年度は、メールその他を通じて情報交換に努めたうえ、12月21日・22日には駒澤大学にて国際研究集会を開催し、中国2名、韓国1名、日本4名の研究者による発表と情報交換をおこない、非常に有益であった。内容は、「憲法十七条」・『日本書紀』・新羅仏教文献に見える変格漢文、日本古写経に見える特殊な漢字の用法などであり、それらを踏まえて「変格漢文の概念と用語」について全員で討議した。また、コンピュータ処理の方法についても討議し、様々の有益な提案がなされた。その成果の一部は論文などによって公表される予定である。 論文書誌データベースと用例データベースについては、大幅に進展した。雑誌に見える日本の主な関連文献の書誌については、かなり入力できたため、研究書に収録されている論文の調査とデータベース化にも取り組み始めた。用例データベースについては、日本の論文に加え、中国の研究書に見える変則漢文の用例の採取も開始した。また、『日本書紀』と三経義疏そのものからの用例採取も進めつつある。 ただ、25年度中に論文データベースをインターネット公開する予定であったが、データの不統一さの調整や不明個所の再調査などに時間をとられ、公開に至っていない。今年度の早い時期に公開する予定である。用例データベースについては、判断に迷うものが多いため、基準の見直しを進めている。 平成24年度と25年度の研究成果に基づく論文も次第に増えつつあり、こうした方面の研究の重要さが学界で認知されるようになりつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
25年度に予定していた国内研究集会が開催できずに、国際研究集会の開催のみとなり、また論文データベースのインターネット公開ができなかった。これは、研究代表者の海外出張などが多く、日程の調整がとれなかったのが一因である。また、論文データベースおよび用例データベースについては、採取を依頼した大学院生によって表記の不統一や、判断に迷う事例が多く、その調整のために時間をとられたことによる。 26年度は、海外出張の予定は減らし、本研究に多くの時間を割く予定であるため、これらの問題点はかなり改善できる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
26年度は、中国の研究協力者が1年間、日本に滞在することになったため、定期的に研究会をおこなうほか、中国人大学院生の協力も得て、日本人研究者から見た変則漢文と中国人研究者から見た変則漢文の同異について研究を進める。 論文データベースと用例データベースについては、協力してくれる大学院生を増やし、早期にインターネット公開するよう努める。 国際研究集会および国内研究集会にあっては、研究分担者以外の研究者も招き、情報交換をこれまで以上に盛んに行っていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
データベースの入力が予想していた以上に困難であり、また作業してくれる大学院生が少なく、実質作業量が予想より少なかったため、謝金の支払いが予想より大幅に少なくなった。国際研究集会のほかに、国内研究集会を開催する予定だったが、日程の都合で国際研究集会しかできなかったうえ、海外から参加する予定であった研究者が事情によって来れなくなり、予定より旅費を必要としなかった。 能力のある大学院生に作業を依頼し、データベースの充実に努めて謝金の執行を増す。また、研究分担者は京都在住の者が多いため、京都での国内研究集会の開催をおこない、さらに国際研究集会ではこの分野を代表する研究者を招いて、旅費の執行を推進する。
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