研究課題/領域番号 |
24320016
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鈴木 岩弓 東北大学, 文学研究科, 教授 (50154521)
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研究分担者 |
森 謙二 茨城キリスト教大学, 文学部, 教授 (90113282)
谷川 章雄 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (40163620)
村上 興匡 大正大学, 文学部, 教授 (40292742)
山田 慎也 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (90311133)
小谷 みどり 身延山大学, 仏教学部, その他 (50633294)
朽木 量 千葉商科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10383374)
土居 浩 ものつくり大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (20337687)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 葬送墓制 / 現代日本 / イエ / 死 / 墓標 / 死者 / 個と群 |
研究実績の概要 |
本プロジェクトは、平成21年度から開始していた基盤研究(B)による「わが国葬送墓制の現代的変化に関する実証的研究-<個>と<群>の相克-」の研究を、東日本大震災以後に見られる葬送墓制関連の変化を加味して考え直さねばならない必要上平成23年度までで一旦打ち切りとして、平成24年度からはそれまでの研究を再編した新たなプロジェクトとして展開している。 とはいえ旧「基盤(B)」研究においては、その成果を最終年度の平成24年度に国際シンポジウムとして世に問う予定としていたため、予定通りの平成24年度に、新旧両方の研究成果に眼を配りながら、新「基盤(B)」研究の企画として国際シンポジウムを開催した。その時の成果をまとめた著作『変容する死の文化-現代東アジアの葬送と墓制-』を公刊したことが、平成26年度の特筆される研究実績として指摘することができる。 本年度の研究体制もそれまでを継承し、「個人研究」と「共同研究」の二本柱で構成されて研究が推進された。そうした中でここ三年ほどの調査成果をまとめる中から生まれてきた、近世墓標の調査法を解説したDVD作品として、『シリーズ墓標研究入門2 実践・墓石解読法』(制作:朽木 量・谷川章雄)が出されたことは、当該分野においても画期的な業績として高い評価がもたらされている。 他に、現代日本社会の葬儀に関しては、葬儀社に対する全国調査の実施が計画されていたが、諸般の事情で年度内実施は難しいこととなった。また仙台市内で実施してきた公営墓地調査は、原稿執筆に向けての資料整理などを終えた段階である。 最終年度である次年度には、「イエ亡き時代の死者のゆくえ」という題名のもと、二日間にわたるシンポジウムを東京において開催し、これをもって本プロジェクトの総括とする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
旧「基盤(B)」と一部新「基盤(B)」の成果をまとめて実施した初年度のシンポの記録が、東京大学出版会から『変容する死の文化』として刊行された。このことにより、東アジアに絞った形で葬送墓制における<個>と<群>の相克場面の多様性が整理された。 墓石調査は近世・近代については順調に進んでおり、仙台市内の公営墓地悉皆調査もデータ分析段階に進んでおり、DVD『実践・墓石解読法』の制作は高い評価を得ている。 葬祭業者に対するアンケートに関しては、担当者の身体の不調から進捗状況に遅れが見えている。とはいえ、最終年度前半までには調査が完了する予定で、その後急ぎ分析を行う予定である。 平成27年度後期に実施予定のシンポジウム、「イエ亡き時代の死者のゆくえ」の準備に関しても、26年度までの「個人研究」の成果である程度完了しており、3月に塩竃で行われた平成26年第二回研究会の席では、シンポ時の発表に関する具体的な議論がじっくりと行われ、27年度に行われる本年度第一回研究会における点検を経て、シンポジウム開催の準備が着々と進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度後半に、これまでの研究の総括として、土・日二日にわたるシンポジウムを東京で開催する予定である。「イエ亡き時代の死者のゆくえ」の題目で実施されるシンポは、現代日本社会における関心の高い分野であるため、ディシプリン横断的なわれわれの研究チームであればこその企画を成功させたく綿密な打合せを繰り返している。 シンポジウムの結果についても、前回平成24年度に国際シンポジウムを開催した時と同様、シンポジウムの成果を書籍として刊行する予定である。今回は、シンポジウムの企画段階からそうした出版社の方にも相談しながら話を進めているため、書籍刊行へ向けた歩みは、確実に進んでいるものと思われる。
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次年度使用額が生じた理由 |
最終年度に、当初計画では予定していなかったシンポジウムを東京で二日間開催することになったため、その資金として平成27年度に使用学を持ち越した。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度の後期に、東京で二日間にわたるシンポジウム「イエ亡き時代の死者のゆくえ」を開催する。
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