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2012 年度 実績報告書

《主体性》概念を基軸とした日本近代化過程における《自己》造形に関する学際的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24320023
研究種目

基盤研究(B)

研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

伊藤 徹  京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (20193500)

研究分担者 荻野 雄  京都教育大学, 教育学部, 准教授 (50293981)
昆野 伸幸  神戸大学, 国際文化研究科, 准教授 (00374869)
平子 友長  一橋大学, 社会学研究科, 教授 (50126364)
長妻 三佐雄  大阪商業大学, 総合経営学部, 教授 (80399047)
笠原 一人  京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教 (80303931)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード思想史 / 政治学 / 美術史 / 文学論 / 建築史・意匠
研究概要

本研究は、哲学思想、美術工芸、建築、政治学、社会学、歴史学、文学と多ジャンルに亘る共同研究者および協力者の研究をベースに、本年度4回の研究会合をもち、研究成果の検証および情報め共有化を行なった。会合全体での研究報告で考察対象となった人物は、梅本克己、岡本太郎、瀧口修造、・田村俊子、鶴見俊輔、二葉亭四迷、真下信一、松本竣介、丸山真男、三木清、村野藤吾、山崎正和など、.多岐にわたった。「主体性」の概念がアウラをもったものとして知識人・芸術家に受け止められたのは、とくに戦後のことであるが、上記対象となった知識人の名前も示唆しているとおり、戦前の精神史が従来中心であった当研究グループの視野を、かなりの程度戦後にまで拡大できた。目標の一つである研究情報の国際的発信に関しては、2012年10月にチューリヒ大学東アジア研究所で催された研究集会・Wort und Bild Assimilation - Japan und Modlerneに、伊藤と平芳が招待され、それぞれ学術講演を行なうとともに、集まった日本研究者と交流を行なうことができた。このワークショップの主催者の一人シモン・ミュラー准教授が次年度訪問国際研究員として京都工芸繊維大学に研究滞在するのも、この会合が機縁となった。また同会合は、2014年のより大きな国際会議のための準備としてなされたものである。さらに、従来交流の拠点となってきた中華民国においては、あらたに国立台湾大学芸術史研究所・黄蘭翔教授の研究会合に伊藤が参加したことに縁を得て、第四回会合に氏を招待して講演を聞くことができた。以上の会合などで報告された研究内容を基にして、論集の企画を進め、具体的な内容を提示するかたちで、複数の出版社と交渉した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

目標の一つである国際的研究発信に関しては、講演などを通して従来の交流拠点との関係を強化しただけでなく、新たな関係構築の準備も出来て次年度につなげることができた。もう一方の論集に関しては、執筆者と担当主題もほぼ固まり、次年度にはより詳細な資料収集および分析にとりかかれるところまでこぎつけている。

今後の研究の推進方策

国際交流に関しては、韓国京畿大学ならびにフランクフルト大学との関係を新たに開拓する方向で進める。論集については、実際の執筆の開始まで到達することを目標とする。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度におけるチューリヒ大学シモン・ミュラー氏の研究滞在、および同大学ならびにフランクフルト大学への講演のための再度の派遣の可能性が本年度中に明らかになったために、これらを考慮して予算執行を留保したことによって、繰り越しが生じた。最終26年度の国際会議への複数名派遣の可能性を念頭に措きながら、25年度の予算執行を行なう予定である。

  • 研究成果

    (43件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (23件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (14件) 図書 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 明治の浦島物語-幸田露伴「新浦島」試論-2013

    • 著者名/発表者名
      西川貴子
    • 雑誌名

      同志社国文学

      巻: 78 ページ: 91-103

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「浮雲亅で笑う2013

    • 著者名/発表者名
      日比嘉高
    • 雑誌名

      近代文学合同研究会論集

      巻: 9 ページ: 76-93

  • [雑誌論文] 外地書店とリテラシーのゆくえ-第二次大戦前の組合史・書店史から考える-2013

    • 著者名/発表者名
      日比嘉高
    • 雑誌名

      日本文学

      巻: 62 ページ: 44-56

  • [雑誌論文] Natsume Soseki und die Zwecklosigkeit des Lebens als des Wesender Modernisierung2012

    • 著者名/発表者名
      伊藤 徹
    • 雑誌名

      Aaiatische Studien

      巻: LXVI‐I ページ: 103-128

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 柳宗悦とワシリー・,カンディンスキー-「反復」の概念2012

    • 著者名/発表者名
      伊藤 徹
    • 雑誌名

      「1890-1950年代日本における《語り》についての学際的研究」成果論集

      巻: (備考参照) ページ: 20-31

  • [雑誌論文] この地上に住むということ-ハイデッガーと西谷啓治2012

    • 著者名/発表者名
      秋富克哉
    • 雑誌名

      場所

      巻: 11 ページ: 1-18

  • [雑誌論文] ハイデッガーの一つ多過ぎた眼-ハイデッガーのソポクレス解釈2012

    • 著者名/発表者名
      秋富克哉
    • 雑誌名

      文明と哲学

      巻: 4 ページ: 86-193

  • [雑誌論文] 西谷啓治のニイチェ解釈2012

    • 著者名/発表者名
      秋富克哉
    • 雑誌名

      理想

      巻: 689 ページ: 62-73

  • [雑誌論文] 西谷啓治の「技術」理解における「虚無」の語り-ハイデッガーとの同時代性2012

    • 著者名/発表者名
      秋富克哉
    • 雑誌名

      「1890-1950年代日本における《語り》についての学際的研究」成果論集

      巻: (備考参照) ページ: 5-19

  • [雑誌論文] ワイマールの生き残り-ジークフリート・クラカウアーの『映画の理論』(3)2012

    • 著者名/発表者名
      荻野 雄
    • 雑誌名

      京都教育大学紀要

      巻: 121 ページ: 101-118

  • [雑誌論文] 清水幾太郎における関東大震災と革命の《語り》2012

    • 著者名/発表者名
      荻野 雄
    • 雑誌名

      「1890-1950年代日本における《語り》についての学際的研究」成果論集

      巻: (備考参照) ページ: 32-42

  • [雑誌論文] 京都高等工芸学校本館2012

    • 著者名/発表者名
      笠原一人
    • 雑誌名

      建築と社会

      巻: 1081 ページ: 21-24

  • [雑誌論文] 美野小学校円形校舎2012

    • 著者名/発表者名
      笠原一人
    • 雑誌名

      歴史と神戸

      巻: 292 ページ: 2-6

  • [雑誌論文] 関西・名作住宅入門 戦後編2012

    • 著者名/発表者名
      笠原一人
    • 雑誌名

      チルチンびと

      巻: 72 ページ: 181-183

  • [雑誌論文] 尼崎市庁舎2012

    • 著者名/発表者名
      笠原一人
    • 雑誌名

      日事連

      巻: 587 ページ: 42-43

  • [雑誌論文] 戦後の庁舎建築にみる「公共の形亅-庁舎建築の表現とその「語り」をめぐって-2012

    • 著者名/発表者名
      笠原一人
    • 雑誌名

      「1890-1950年代日本における《語り》についての学際的研究」成果論集

      巻: (備考参照) ページ: 76-88

  • [雑誌論文] 戦中・戦後における葦津珍彦の思想-神道観を中心に2012

    • 著者名/発表者名
      昆野伸幸
    • 雑誌名

      「1890-1950年代日本における《語り》についての学際的研究」成果論集

      巻: (備考参照) ページ: 63-75

  • [雑誌論文] ナショナリズムと多様性の思想-三宅雪嶺における有機体的国家論の展開2012

    • 著者名/発表者名
      長妻三佐雄
    • 雑誌名

      政治思想研究 (政治思想学会編)

      巻: 12 ページ: 114-134

  • [雑誌論文] 「雑種」と「雑居」のあいだ2012

    • 著者名/発表者名
      長妻三佐雄
    • 雑誌名

      「1890-1950年代日本における《語り》についての学際的研究」成果論集

      巻: (備考参照) ページ: 101-111

  • [雑誌論文] 〈見る〉ことをめぐる語り-泉鏡花「外科室」試論2012

    • 著者名/発表者名
      西川貴子
    • 雑誌名

      「1890-1950年代日本における《語り》についての学際的研究」成果論集

      巻: (備考参照) ページ: 112-120

  • [雑誌論文] 吉原治良と「具体美術協会」の語り-オリジナリティーとアイデンティティーを巡って-2012

    • 著者名/発表者名
      平芳幸浩
    • 雑誌名

      「1890-1950年代日本における《語り》についての学際的研究」成果論集

      巻: (備考参照) ページ: 141-153

  • [雑誌論文] 九鬼哲学における偶然と時間-歴史と語りをめぐって-2012

    • 著者名/発表者名
      宮野真生子
    • 雑誌名

      「1890-1950年代日本における《語り》についての学際的研究」成果論集

      巻: (備考参照) ページ: 154-166

  • [雑誌論文] 舞台を統べるもの-寺山修司「奴婢訓」(1978年上演)をめぐって2012

    • 著者名/発表者名
      若林雅哉
    • 雑誌名

      「1890-1950年代日本における《語り》についての学際的研究」成果論集

      巻: (備考参照) ページ: 167-184

  • [学会発表] 日本近代の造形思想史の概略と問題2013

    • 著者名/発表者名
      伊藤徹
    • 発表場所
      国立台湾大学芸術史研究所(招待学術講演)
    • 年月日
      2013-03-30
  • [学会発表] 詩人は「大地の意味亅であるか?2013

    • 著者名/発表者名
      秋富克哉
    • 学会等名
      第2回日独哲学会議 危機や災害に直面しての芸術の可能性
    • 発表場所
      東京ドイツ文化センター(招待学術講演)
    • 年月日
      2013-03-15
  • [学会発表] 柳宗悦・民芸思想の可能性2013

    • 著者名/発表者名
      伊藤徹
    • 学会等名
      第2回日独哲学会議 危機や災害に直面しての芸術の可能性
    • 発表場所
      東京ドイツ文化センター(招待学術講演)
    • 年月日
      2013-03-14
  • [学会発表] 庁舎建築作品に見る村野藤吾の公共性2012

    • 著者名/発表者名
      笠原一人
    • 学会等名
      兵庫県建築士会神戸支部
    • 発表場所
      尼崎市立大庄公民館
    • 年月日
      2012-12-08
  • [学会発表] マルクスのマウラー研究の射程-MEGA IV/18におけるマルクスのマウラー抜枠の考察-2012

    • 著者名/発表者名
      平子友長
    • 学会等名
      清華大学マルクス・エンゲルス文献研究センター設立式典-テキストの中での時代および新メガ研究のトップ会議
    • 発表場所
      精華大学人文学院(北京)
    • 年月日
      2012-11-09
  • [学会発表] 戸坂潤における実践的唯物論構想2012

    • 著者名/発表者名
      平子友長
    • 学会等名
      唯物論研究協会第35回研究大会
    • 発表場所
      法政大学
    • 年月日
      2012-10-21
  • [学会発表] The concept of Shutaisei and its origin2012

    • 著者名/発表者名
      伊藤徹
    • 発表場所
      The University of Edinburgh(招待学術講演)
    • 年月日
      2012-10-17
  • [学会発表] 死と実存協同-無常を超えて偶然を生きる-2012

    • 著者名/発表者名
      宮野真生子
    • 学会等名
      日本倫理学会
    • 発表場所
      日本女子大学
    • 年月日
      2012-10-14
  • [学会発表] Der Begriff Shutaisei und seine Herkunft2012

    • 著者名/発表者名
      伊藤徹
    • 学会等名
      Wort und Bild Assimilation Japan und Moderne
    • 発表場所
      Universatat Zurich(招待学術講演)
    • 年月日
      2012-10-12
  • [学会発表] How Could (or could not) Surrealism be inplarited in Japan?-TAKIGUCHI Shuzo in the 1930s2012

    • 著者名/発表者名
      平芳 幸浩
    • 学会等名
      Wort und Bild Assimilation Japan und Moderne
    • 発表場所
      Universatat Zurich(招待学術講演)
    • 年月日
      2012-10-12
  • [学会発表] 合意形成のプロセス-近年の保存運動から2012

    • 著者名/発表者名
      松隈 洋
    • 学会等名
      日本建築学会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2012-09-14
  • [学会発表] 前期西田哲学における「意識」の問題2012

    • 著者名/発表者名
      秋富克哉
    • 学会等名
      日本宗教学会第71回学術大会
    • 発表場所
      皇学館大学
    • 年月日
      2012-09-08
  • [学会発表] 今泉定助の思想-神道的国体論の宗教性2012

    • 著者名/発表者名
      昆野伸幸
    • 学会等名
      日本宗教学会第71回学術大会
    • 発表場所
      皇学館大学
    • 年月日
      2012-09-08
  • [学会発表] 近代神道論の系譜-今泉定助の思想2012

    • 著者名/発表者名
      昆野伸幸
    • 学会等名
      近現代史研究会第4回大会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2012-07-07
  • [図書] 残すべき建築-モダニズム建築は何を求めたのか2013

    • 著者名/発表者名
      松隈洋
    • 総ページ数
      287
    • 出版者
      誠文堂新光社
  • [図書] 現代社会学事典2012

    • 著者名/発表者名
      伊藤 徼, ほか執筆者多数
    • 総ページ数
      1640
    • 出版者
      弘文堂
  • [図書] 村野藤吾のファサードデザイン2012

    • 著者名/発表者名
      松隈洋、笠原一人、石田潤一郎、角田暁治, ほか
    • 総ページ数
      176
    • 出版者
      国書刊行会
  • [図書] 戦後歴史学用語辞典2012

    • 著者名/発表者名
      昆野伸幸(共著)
    • 総ページ数
      460
    • 出版者
      東京堂出版
  • [図書] 次代へつなぐ葦津珍彦の精神と思想2012

    • 著者名/発表者名
      昆野伸幸(共著)
    • 総ページ数
      254
    • 出版者
      神社新報社
  • [備考]

    • URL

      http:/repository.lib.kit.ac.jp/dspace/bitstream/10212/2104/1/21320021seika.pdf

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公開日: 2014-07-16  

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