研究課題/領域番号 |
24320029
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研究機関 | 実践女子大学 |
研究代表者 |
仲町 啓子 実践女子大学, 文学部, 教授 (80141125)
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研究分担者 |
宮崎 法子 実践女子大学, 文学部, 教授 (20135601)
武笠 朗 実践女子大学, 文学部, 教授 (30219844)
児島 薫 実践女子大学, 文学部, 教授 (40195714)
山下 善也 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 主任研究員 (40463252)
田沢 裕賀 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 室長 (80216952)
中村 麗子 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 企画課企画展室, 主任研究員 (50371000)
山盛 弥生 実践女子大学, 香雪記念資料館, 研究員 (90433763)
佐藤 美子 実践女子大学, 香雪記念資料館, 研究員 (50549699)
太田 佳鈴 実践女子大学, 文学部, 助教 (80624121)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 女性画家 / 日本女性史 / ジェンダー研究 / 女子教育 / 日本絵画史 / 文人趣味 / 女性の社会的活動 / データベース |
研究概要 |
本研究では、桃山時代から明治・大正期までの日本の女性による絵画制作の実態を、文献・作品の両面から明らかにし、その造形的・社会的・文化的特質と意義を考察した。今年度の具体的な実績を以下に記す。 【作品及び伝記資料の実地調査】研究代表者・分担者・協力者が協力して実施した。主なものに、九州での亀井少琴関係、古河での奥原晴湖、京都での清原雪信や江馬細香などの調査がある。調査後には検討会を開き、調査データの確認、真贋問題の検討、落款・印章・讃・箱書あるいは付属文書などの解読を行った。 【研究会の開催】大阪市経済戦略局文化部文化課主任学芸員・小川知子氏を講師として、大阪の女性画家についての研究会を開催した。これには、科研費のメンバーだけでなく、一般の方々(特に研究者)にも参加を呼びかけたため、より多角的に議論を深めることが出来、活発な討議が行われた。また、女性画家作品を多く含む画帖(佐藤一齋の父の60賀を記念して寛政8年頃に制作されたもの)に関する研究会を1ヶ月に1回ほどのペースで開催し、1図ごとの解読と解釈を積み重ね、近日中にその成果を研究誌へ公開することを目指している。さらに、河辺青蘭に関する研究会もほぼ1ヶ月に1回ほどのペースで開催した。 【データベースの構築】以下の二種類の作成を遂行中である。①調査した女性画家及び女性画家作品。②江戸から明治期の女性画家に関する広範囲の文献(画史・画伝以外にも番付表書画会の記録その他)に記録された女性画家についての資料。いずれも膨大な資料のため、特に①はこれからもかなりの時間を要するものと思われるが、いずれweb上での公開を目標としている。 【展覧会の開催】研究会の成果を盛り込んで、河辺青蘭(1868―1931)に関する日本で初の展覧会(個展)を開催した。その成果をさらに発展させ、紀要に河辺青蘭特集を編んだ。下田歌子の浮世絵制作に関する本を出版した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実地調査や研究会の実施に関しては、当初の予定以上に進展しているが、データベース化はやや遅れ気味であり、全体としてはほぼ順調に進んでいると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には、現行の方法を当初の計画通りに発展させる。作品の実地調査に関しては、対象の画家の範囲を広げるとともに、対象地域も増やしてゆく。データベースに関しては、基本構造を確立するとともに、できうる限りにデータの打ち込みを実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
大学が昨年度末(2月から3月にかけて)、日野から渋谷に移転し、引っ越し作業等に時間と場所を取られ、データベース入力や調査研究の時間が充分には確保できず、人件費と旅費の支出が抑えられたため。 本年度は、繰り越し分は人件費と旅費に当てたいと考えている。
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