研究課題/領域番号 |
24320035
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
籔内 直樹 (籔内 佐斗司) 東京藝術大学, 美術研究科, 教授 (10376931)
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研究分担者 |
副島 弘道 大正大学, 文学部, 教授 (20216576)
山本 勉 清泉女子大学, 文学部, 教授 (00150037)
武笠 朗 実践女子大学, 文学部, 教授 (30219844)
杉浦 誠 東京藝術大学, 美術研究科, 講師 (40625589)
益田 芳樹 東京藝術大学, 美術研究科, 講師 (30625596)
鈴木 篤 東京藝術大学, 美術研究科, 助手 (90620873)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 彫刻文化財 / 3D |
研究概要 |
平成25年度は、下記の国宝をはじめとする調査内容となった。 奈良県聖林寺十一面観音菩薩立像 京都府宝菩提院願徳寺菩薩半跏像(伝如意輪観音) 聖林寺十一面観音菩薩立像の調査では、本体部分のみならず、台座部分までの3Dデータを取得できたことは特筆すべき内容であった。本像は奈良時代後期の木心乾漆造の基準作例であり、同像は台座部分にも当初の造形を多く残しているため、本データは今後の彫刻文化財教育研究資料として大いに活用できるものである。現に平成25年度当研究室博士後期課程の研究において、奈良時代の木心乾漆造の構造技法を比較研究する際に新知見を得られる資料となった。また宝菩提院願徳寺菩薩半跏像は平安時代初期一木造の代表的作例であり、平安時代初期の木取り作例を検証する上で、重要なデータを取得することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
配当された予算としては、当初予定していた以上の調査内容が得られた。内容は前述のとおり充実したものとなり、京都府宝菩提院願徳寺菩薩半跏像をもとにした平安時代初期の基準作例の木取り想定図作成も順当に進行している。さらにこれらの3Dデータ取得を通して、彫刻文化財の形状記録保存というもう一つの本研究の目的も達成できた。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である平成26年度は、これまで取得してきた3Dデータ等を整理し、木取り・木寄せの時代的特性をあらわす資料作成に努める。また寺院の許可が下り次第、該当年代の彫刻文化財作例の3D計測調査を行う予定である。また各時代の木取りの特性を相対的に検証するため、他の時代における作例調査も検討中である。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品購入に際し、法人価格による値引きで差額が発生。そのほか調査機材輸送費でも法人契約しているために割安となったため。 諸経費に充当する。
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