研究課題
これまで『浄瑠璃本の書誌調査に基づいた翻刻本文の公刊として、『義太夫節浄瑠璃未翻刻作品集成』(玉川大学出版部)にて第四期42作品を刊行してきた。引き続き、浄瑠璃翻刻の作業とともに、公刊した研究成果のデジタルアーカイブ化を目指すすとともに、浄瑠璃研究、音曲研究、日本語研究に活用するための基礎的な確認作業を行っている。近松没後、享保年間の日本語研究に資するために単語認定を行い、品詞、活用、歴史的仮名遣い、現代仮名遣い、出現形などのタグ付けを行い、語彙索引作成の作業を行ってきた。すでに『出世握虎稚物語』(享保十年)、『鬼一法眼三略巻』(享保十六年)、『信州姨拾山』(享保十五年)の三作品の自立語索引を刊行したが、本年度はこれに『赤沢山伊東伝記』の自立語索引を加えることができた。索引刊行はもともと平成27年度中に行う予定であったが、研究協力者の出産育児のために、作業が大幅に遅れたため、平成28年度をかけてほぼ毎週の研究会により単語認定確認作業を行い、ソートを掛け、逆引きを行うなど索引作成作業を行った。索引刊行のみを平成28年度は目標として研究を行った。既刊の三索引は竹本座初演の作品であるが、『赤沢山伊東伝記』は享保十六年に豊竹座で初演された作品である。また、作者並木宗輔の語彙索引はこれまでに刊行されておらず、近世語研究のみならず、竹本座、豊竹座の芸風の相違、並木宗輔のことばの特徴を考察することのできる貴重資料として活用されるものと考える。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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