研究課題/領域番号 |
24320088
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
廣瀬 幸生 筑波大学, 人文社会系, 教授 (00181214)
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研究分担者 |
加賀 信広 筑波大学, 人文社会系, 教授 (20185705)
島田 雅晴 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (30254890)
和田 尚明 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (40282264)
金谷 優 筑波大学, 人文社会系, 助教 (50547908)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 文法 / 語用論 / 対照言語学 / 言語形式 / 言語機能 / 状況把握 / 状況報告 / 対人関係 |
研究実績の概要 |
本年度は、文法と語用論の関係に関して、(1)各研究分担者が扱う言語現象の考察と検討を行うとともに、全体としては、(2)本研究の基盤となる言語使用の三層モデルを整備し、さらに発展させるために、専門的研究者を招いての講演会や研究会も開催した。 (1)については、大学院生も参加する月例の研究会を12回開催し、各自の研究テーマと関連データについて意見交換するとともに、日本英語学会の学会誌 English Linguistics に三層モデルに関する特集論文を投稿し、次年度に掲載されることになった。 (2)については、学外の専門家としてフランス・リール第3大学のBert Cappelle氏を招き、次の講演会と研究会を開催し、共同研究も行った。講演会:Bert Cappelle, “N-Grams: What Are They, and Are They Useful?” (H26.7.8)。研究会:Colloquium on the Relation between Grammar and Pragmatics II (H26.7.10)。その成果として、ベルギーの一般向け言語雑誌 Over Taal (http://www.overtaal.be/) の53巻4号に、Cappelle氏による “Jeromees” と題するオランダ語の論考が掲載され、そこで、三層モデルの中核となる公的自己・私的自己の考え方が紹介された。 また、研究分担者の島田がハンガリー共和国に出張し(H26.5.27-6.3)、第16回国際形態論学会で、和田はイタリアに出張し(H26.6.14-24)、Chronos11 (行為性・テンス・アスペクト・モダリティ/証拠性に関する国際学会第11回大会)で、それぞれ研究成果の発表を行った。 その他、研究活動の成果の一部は、雑誌論文・口頭発表などの形で公表されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大学院生も参加する月例研究会を12回開催し、活発な討論や意見交換を通して、当初の予定通り、日英語のさまざまな言語現象が多角的に考察・検討され、それによって、「言語使用の三層モデル」を中心とした文法と語用論の関係に関する知見も深まり、その成果の一部を学内外で発表することができた。さらに、海外の研究協力者とも予定通り研究の連携を深めており、より充実した形で共同研究体制が進行している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度が本研究プロジェクトの最終年度となるため、これまでに得られた研究成果を最大限に活用し、三層モデルを中心とした研究をさらに発展・拡充し、できるだけ学会発表や論文の形で刊行していくことを目指す。また、大学院生の中からも本研究と関連した博士論文が提出されるような研究指導も行う。月例研究会も引き続き行うとともに、国内外の関連分野の研究者を招いて本研究に関するワークショップも開催する。それによって、関連分野の専門家からの有意義な意見やコメントも取り入れながら、本研究の成果を総括し、それをさらに発展させる今後の研究の方向性を探っていく。
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