• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

集合知を活用した共生のための日本語読解支援環境の構築と運用実験

研究課題

研究課題/領域番号 24320096
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京国際大学

研究代表者

川村 よし子  東京国際大学, 言語コミュニケーション学部, 教授 (40214704)

研究分担者 前田 ジョイス  東京国際大学, 経済学部, 准教授 (90275800)
北村 達也  甲南大学, 情報知能学部, 教授 (60293594)
三輪 譲二  岩手大学, 工学部, 准教授 (60125664)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード日本語弱者 / やさしい日本語 / わかりやすい日本語 / 難易度 / 共生社会 / 読解学習支援 / Web上の学習環境 / 語彙
研究概要

本研究の目的は、日本語教師の知識と経験を「集合知(Collective Intelligence)」として集めて、共生社会における日本語弱者が自由に利用できる日本語読解支援環境をつくることにある。「日本語弱者」にとって、難しいことばや漢字の多い日本語の文章の読解は困難を極める。そこで、日本語教師の知識と経験に裏打ちされた「わかりやすい文章への書き換え術」を「集合知」として二段階方式で収集し、それをもとに、わかりやすい日本語への自動書き換えシステムを開発する。初年度である平成24年度の中心は、難易度の高い表現に対する書き換えリストの作成と書き換えルールの抽出、さらにそれをもとにした書き換えツールβ版の開発であった。
書き換えリストは、単語レベルではなく、前後の助詞にまで配慮した形で、見出し語(難易度の高い表現)と書き換え表現(やさしい日本語での表現)を併記したものを作成した。本年度は、形容動詞(形状詞)とサ変動詞(名詞・サ変可能)に限定した書き換えを行った。理由は次の通りである。
(1)形容動詞とサ変動詞は、やさしい表現に置き換えられるものが多い。
(2)難易度の高い文での使用頻度が高く、平易化への寄与率が高い。
書き換えツールβ版は、上記書き換えリストをもとに作成した。このツールは、入力された文を自動でやさしい日本語に置き換えるツールであり、Web上で稼働可能なものにした。運用実験の結果、置き換え後、品詞に加えて前後の助詞も変わる場合があることがわかり、変換ルールを書き換えリストに明記し、ツールもこれに対応できる仕様に修正を加えた。これによって、形容動詞とサ変動詞に関しては、ほぼ正しい書き換えが可能になった。今後はデータマイニングシステムを利用して複数の書き換え候補がある場合の対応について検討を進め、より精度の高いシステムの完成を目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の目的は、日本語弱者が自由に利用できる日本語読解支援環境を提供するために、わかりやすい日本語への自動書き換えシステムを開発することである。本年度は、形容動詞とサ変動詞に関して書換えリストの作成と書き換えのルール化を行い、それをもとにした書き換えシステムベータ版を開発するという初期目標を達成した。

今後の研究の推進方策

複数の書き換え候補がある場合の対応に関しては、現在基本設計を行っているデータマイニングシステムを活用して、より精度の高い書き換えシステムの完成を目指す。

次年度の研究費の使用計画

書き換えリストに関しては、形容動詞・サ変動詞以外の品詞についても完成させるとともに、対象を、新聞語彙や専門語彙にまで広げる。書き換えシステムに関しては、データマイニングシステムとの連動を行い、より精度の高いシステムへの改良を行う。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) 備考 (3件)

  • [雑誌論文] やさしい日本語への書き換えリストの作成とその評価2012

    • 著者名/発表者名
      川村よし子・北村達也
    • 雑誌名

      日本語教育学会秋季大会予稿集

      巻: 2012 ページ: 123-128

  • [雑誌論文] 日本語読解支援システム『リーディング・チュウ太』の取り組み2012

    • 著者名/発表者名
      川村よし子
    • 雑誌名

      ウェッブマガジン「留学交流」

      巻: 9(招待論文) ページ: 1-11

  • [雑誌論文] 日本語学習のためのインターネット活用術-自律学習で語彙力を高めるには-2012

    • 著者名/発表者名
      川村よし子
    • 雑誌名

      日本語教育研究

      巻: 23 ページ: 21-34

    • 査読あり
  • [雑誌論文] インターネット上で利用可能な文章の難易度判定システムの開発2012

    • 著者名/発表者名
      川村よし子
    • 雑誌名

      ヨーロッパ日本語教育

      巻: 16 ページ: 194-198

    • 査読あり
  • [学会発表] 『リーディング・チュウ太』のレベル判定ツールを用いた日本語学習者の作文の熟達度評価2013

    • 著者名/発表者名
      川村よし子
    • 学会等名
      AATJ(アメリカ日本語教師会)
    • 発表場所
      サンデイエゴ(アメリカ)
    • 年月日
      2013-03-21
  • [学会発表] 単語難易度判定機能を有するエディタの開発2013

    • 著者名/発表者名
      柴田大介・村田進・北村達也・川村よし子
    • 学会等名
      日本語教育方法研究会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2013-03-10
  • [学会発表] Web上の読解学習支援環境の構築2013

    • 著者名/発表者名
      川村よし子
    • 学会等名
      日本語教育方法研究会
    • 発表場所
      東京大学(招待講演)
    • 年月日
      2013-03-09
  • [学会発表] 学習および生活支援ツールとしての『チュウ太』2013

    • 著者名/発表者名
      川村よし子
    • 学会等名
      日本語教育学会東北支部
    • 発表場所
      弘前大学(招待講演)
    • 年月日
      2013-03-09
  • [学会発表] 文章の難易度判定システムの構築と運用実験2012

    • 著者名/発表者名
      川村よし子・北村達也
    • 学会等名
      CAJLE(カナダ日本語教育振興会)
    • 発表場所
      パンフパークロッジリゾートホテル
    • 年月日
      20120802-20120803
  • [学会発表] インターネットを活用した自律学習支援のための日本語教育2012

    • 著者名/発表者名
      川村よし子
    • 学会等名
      日本語教育学会東北支部
    • 発表場所
      弘前大学(招待講演)
    • 年月日
      2012-11-10
  • [備考]

    • URL

      http://chuta.jp

  • [備考]

    • URL

      http://language.tiu.ac.jp

  • [備考]

    • URL

      http://basil.is.konan-u.ac.jp/cyuta/level/

URL: 

公開日: 2014-07-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi